
最終更新日:2026年9月2日(2026年9月の主要行金利・フラット35金利・日銀6月利上げを反映)
これから住宅ローンを組む段階で、変動金利と固定金利のどちらを選ぶかは多くの人がつまずくポイントです。2026年は日銀が6月に政策金利を1.0%へ引き上げ、変動金利は1%超えが定着、固定金利・フラット35は現行制度で過去最高水準まで上昇しました。変動と固定の金利差は約2.2%と集計開始以降で最大に広がっており、「差が大きすぎる今は変動」とも「上昇局面の今こそ固定」とも言われますが、実際は家計・残期間・働き方によって最適解が変わります。この記事では2026年9月時点の実態に沿って、迷いを整理するための判断軸を整理しました。
この記事の結論を先に
- 2026年9月時点で、メガバンクの変動金利は0.9〜1.3%台(大手5行平均約1.06%)、10年固定は3%台後半(大手5行平均約3.7〜3.8%)、全期間固定は3%台後半〜4%台、フラット35は3.46%(買取型・融資率9割以下・新機構団信付・最多金利)が中心。
- 変動と固定の金利差は約2.2%まで拡大し、集計開始(2018年)以降で最大水準。初期返済額の差は無視できない大きさ。
- 「家計のバッファが薄い・転職予定がある・教育費ピーク前」なら固定寄り、「金融資産が厚い・残期間が短い・繰上返済余力あり」なら変動寄りが現実的。ただし変動でも今後の追加利上げ(年内1.25%が射程)を織り込んだ返済計画が必須。
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2026年9月の住宅ローン金利マップ(主要行と金利タイプ別)
まず現在地を整理します。2026年9月時点の主な金融機関の適用金利の目安は次のとおりです(最優遇水準・新規借入・新機構団信または一般団信込みを想定/各行公表値をもとに整理)。金利は日々変動するため、あくまで水準感の目安としてご覧ください。
| 金融機関 | 変動 | 10年固定 | 全期間固定(35年) |
|---|---|---|---|
| 三菱UFJ銀行 | 年0.945%程度 | 年3.5%台 | 年3.9%台 |
| 三井住友銀行 | 年1.2%台 | 年3.6%台 | 年3.9%台 |
| みずほ銀行 | 年1.0%前後 | 年3.3%台 | 年3.8%台 |
| りそな銀行 | 年0.95%程度 | 年3.8%前後 | 年3.9%台 |
| SBI新生銀行 | 年0.99%程度 | 年3.5%前後 | 取扱限定 |
| フラット35(買取型・9割以下) | — | — | 年3.46%(最多金利・新機構団信付) |
正確な最新値は各金融機関の公式サイトおよび住宅金融支援機構(フラット35)の最新金利でご確認ください。フラット35の長期推移は【フラット35】金利情報(公式)に掲載されています。
注目したいのは、金利上昇のスピードです。フラット35は2026年に入ってから上昇を続け、9月には3.46%(買取型・9割以下・新機構団信付・最多金利)と現行制度(2017年10月〜)で過去最高を更新しました。10年固定もメガバンク平均で3%台後半まで上昇しています。一方で変動金利は大手5行平均で約1.06%にとどまり、変動と固定の金利差は約2.2%と、集計開始以降で最大の水準にまで広がっています。
なぜ固定金利のほうが先に大きく上がったのか
「日銀の利上げは政策金利の引き上げなのに、なぜ固定金利のほうが大きく動いたのか」という疑問は多くの方が持ちます。理由は、変動金利と固定金利が見ている指標が違うためです。
変動金利は、銀行が短期で資金調達するときの金利(短期プライムレート、ベースは日銀の政策金利)に連動します。一方、固定金利は10年物国債利回りなど長期金利に連動します。SBI新生銀行も金利上昇による住宅ローンへの影響で同様の仕組みを解説しています。
長期金利は「今後数年〜十数年の利上げ見通し」を先回りして織り込むため、政策金利が動く前から上昇しやすい性質があります。2026年の動きはまさにこの典型です。日銀は6月16日に政策金利を0.75%から1.0%へ引き上げ(1995年以来約31年ぶりの高水準)、7月末の会合では影響を見極めるとして1.0%に据え置きました。この間、10年国債利回りは6月末に2.69%、7月には一時2.8%台前半まで上昇し、約29年ぶりの高水準を記録。これを受けて固定金利・フラット35が先行して大きく引き上げられた構図です。
「固定が上がった=変動も同じだけ上がる」ではない
固定金利の上昇は将来予想を反映したものなので、実際の政策金利がそこまで上がらなければ変動金利の上昇は緩やかになる可能性もあります。ただし日銀は段階的な利上げ姿勢を明確に示しており、市場では10月または12月の追加利上げが有力視され、年内に1.25%へ引き上げられる可能性が指摘されています。変動金利も2026年に入って各行が順次引き上げており、大手5行平均で約1.06%まで上昇している点は事実として押さえておく必要があります。
変動金利を選んでよい人の3条件
変動金利は当初金利の低さが最大の魅力ですが、その低さは「金利上昇リスクを自分で背負う」ことの対価でもあります。次の3条件のうち、できれば2つ以上当てはまる方は、変動を中心に検討しても整合性が取れやすい層です。
条件1:返済額が増えても家計が耐えられる年収・支出バランス
返済比率(年収に対する年間返済額の割合)が20%以下、かつ毎月の家計に数万円以上の余白がある世帯は、月返済額が将来1〜2万円増えても致命傷にはなりにくい層です。特に今の局面では、「金利が仮に1.5〜2.0%まで上昇しても返済を続けられるか」を事前に試算しておくことが重要です。借入額の目安については年収400万円で住宅ローンはいくらまで借りられるかで年収別の整理を行っています。
条件2:金融資産で「数年分の利息増」を吸収できる
仮に金利が1〜2%上昇した場合の追加利息分を、預貯金や投資信託などの金融資産で繰上返済できる余力があれば、変動金利のリスクはかなり限定的になります。一般的には借入額の20〜30%相当を流動性のある資産で持てるなら、変動金利を選ぶ合理性が増します。変動で毎月の返済を抑えた分をNISAなどで運用し、金利上昇に備える「借りすぎない+資産形成」の組み合わせも有効な考え方です。
条件3:残期間が短め、または繰上返済の予定がある
15〜20年で完済する計画なら、長期間の金利上昇リスクにさらされる期間が短く、変動金利の初期メリットを享受しやすくなります。逆に「35年フルで借りて、繰上返済も予定なし」というプランで変動を選ぶのは、上昇局面の今、相応の準備が必要です。
固定金利を選んだほうが安心な人の3条件
固定金利は「将来上がるかもしれない不安を、当初の高めの金利で買う」選択です。金利差が約2.2%まで広がった今は「安心料」も割高になっていますが、次の条件に当てはまる場合は、その安心料に支払う価値が出やすくなります。
条件1:家計のバッファが薄く、返済額の予測可能性を最優先したい
共働きでも教育費・保育料の負担で月々の余白が少ない、シングルインカムで予備費が薄いなど、月返済額が数万円増えると家計が回らなくなるケースでは、返済額が変わらない安心は実利として大きくなります。変動金利には5年ルール・125%ルールという緩衝装置がありますが、これは「上昇分が免除される」のではなく「先送りされる」仕組みである点にも注意が必要です。
条件2:今後10〜15年に教育費ピークが来る
大学進学を含む教育費ピーク期と、変動金利上昇局面が重なると、家計の同時多発的な負担増になります。子どもが小さいうちにローンを組む世帯ほど、固定で「教育費期間中の住居費を固定する」発想が現実的です。
条件3:転職・独立・収入変動の予定がある
3〜5年以内に転職・独立を検討している場合、収入面の不確実性が増します。返済額まで不確実だと意思決定が難しくなるため、住宅ローンは固定で「変えない部分」にしておくほうが、ライフプラン全体が組みやすくなります。
判断の軸を1枚で整理
- 家計バッファ:薄い → 固定寄り/厚い → 変動寄り
- 金融資産:少ない → 固定寄り/借入の20〜30%以上ある → 変動寄り
- 残期間:30〜35年 → 固定の価値が増す/15〜20年 → 変動の合理性が増す
- 収入の安定度:不安定 → 固定寄り/安定・成長中 → 変動寄り
- 教育費ピーク:これから10年以内 → 固定寄り/すでに過ぎた → 変動寄り
ペアローン・収入合算世帯が特に注意すべき点
ペアローンや収入合算は借入可能額を伸ばせる一方、金利選びの影響も2倍に効きます。金利差が約2.2%まで広がった今は特に顕著で、たとえば夫婦で合計6,000万円を変動1.0%で借りた場合と全期間固定3.9%で借りた場合では、当初の月返済額に7万円以上の差が出ます。世帯収入に対する返済比率が高めの設計だと、固定にした瞬間に家計が回らなくなることもあります。
一方で、ペアローンは「どちらか一方の収入が減るリスク」が常にあります。育休・産休・介護離職・転職などで一時的に世帯収入が落ちる局面が想定されるなら、少なくとも一方を固定にする、あるいはミックスローンにするといった設計でリスク分散する考え方も現実的です。育休・退職を含むペアローンの実務的な論点はペアローンは片方が退職・育休中でも借り換えできる?で整理しています。
「2人で変動・フルローン・35年」は最もリスクが集中しやすい組み合わせ
頭金なしフルローンを2人で変動・35年で組むと、金利上昇・収入減・離婚・物件価格下落のすべてのリスクに対して耐性が薄くなります。特に今は追加利上げが視野に入る局面のため、上昇シナリオでの試算が欠かせません。フルローンの構造的なリスクは頭金なしフルローンのメリット・デメリットで詳しく整理しています。
迷ったら「ミックスローン」という第3の選択肢
多くの銀行で、1本のローンの中で「変動と固定を組み合わせる」ミックスローンが利用できます。たとえば3,000万円のうち、1,500万円を変動・1,500万円を全期間固定にすると、金利上昇局面でも全体のうち固定部分は影響を受けず、変動部分の上昇影響だけに限定できます。金利差が大きい今こそ、リスク分散の手段として検討する価値があります。
夫婦のペアローンでも「夫=変動、妻=固定」という割り当て方も実質的にミックスと同じ効果を持ちます。フラット35と民間銀行の変動を併用する組み方を扱っている銀行もあります。
ミックスは万能ではない
2本立てになるため事務手数料・登記費用が割高になりやすい、繰上返済時にどちらを優先するか考える手間が増える、といったデメリットもあります。「どちらか決められないからミックス」だと中途半端になりやすく、なぜミックスにするのか(リスク分散か、教育費ピーク対応か)を明確にしてから選ぶのが現実的です。
変動と固定、返済額の差はどれくらい出るか
具体的に金額で比較してみます。借入3,500万円・期間35年・元利均等・ボーナス払いなしで試算した場合の月返済額の目安です(2026年9月時点の水準を反映)。
| 金利タイプ | 金利 | 月返済額 | 総返済額 |
|---|---|---|---|
| 変動 | 1.00% | 約9.88万円 | 約4,149万円 |
| フラット35 | 3.46% | 約14.36万円 | 約6,030万円 |
| 10年固定 | 3.70% | 約14.91万円 | 約6,262万円(10年後再計算前) |
| 全期間固定 | 3.90% | 約15.37万円 | 約6,455万円 |
月返済額の差は変動と全期間固定で約5.5万円、変動とフラット35で約4.5万円。35年で見ると総返済額の差は2,000万円超になります。ただし、これは「変動が35年間ずっと1.00%のままだった場合」の数字です。仮に5年ごとに0.25%ずつ上昇するシナリオなら、変動の総返済額も大きく増えることになり、現時点での単純比較だけでは判断材料として不十分な点に注意が必要です。逆に言えば、この2,000万円超の差を「金利上昇リスクを回避する保険料」として妥当と考えるかどうかが、固定を選ぶかの分かれ目になります。
銀行ごとの審査基準についても整理しておきたい方は銀行員が絶対に教えない住宅ローン審査の本当の基準もあわせて参考にしてください。
自分の条件で最適な銀行を比較する方法
ここまで整理してきたとおり、変動か固定かは「正解」がある問いではなく、家計・残期間・働き方・金融資産との組み合わせで決まる問題です。さらに、同じ「変動1.0%」でも、銀行によって団信の内容・繰上返済手数料・諸費用が異なるため、金利タイプを決めた後にもう一段、銀行の比較が必要になります。金利上昇局面では、わずかな条件差が総返済額に大きく効いてくるため、比較の重要性はこれまで以上に高まっています。
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よくある質問
変動と固定の金利差が約2.2%まで広がった今は、どちらが「お得」ですか?
フラット35と民間銀行の全期間固定では、どちらを選ぶべきですか?
10年固定が終わった後の金利が怖いです。最初から全期間固定のほうが安心ですか?
変動金利の「5年ルール・125%ルール」があれば、金利が上がっても安心ですか?
共働きの場合、夫婦で違う金利タイプにする意味はありますか?
金利が上がりそうな今、購入自体を延期したほうがよいでしょうか?
まとめ
- 2026年9月時点で、変動と固定の金利差は約2.2%まで広がり、集計開始以降で最大水準。初期返済額の差は無視できない。
- 日銀は6月に政策金利を1.0%へ引き上げ、変動金利も大手5行平均で約1.06%まで上昇。年内1.25%への追加利上げが射程に入っている。
- 固定金利は長期金利連動のため、政策金利の動きに先行して上昇しやすい構造を持ち、フラット35は9月に3.46%と現行制度で過去最高を更新。
- 家計バッファ・残期間・金融資産・収入の安定度・教育費ピークの5軸で、変動寄り/固定寄りを整理するのが現実的。変動を選ぶなら上昇シナリオでの試算が必須。
- ペアローンや収入合算では、金利選びの影響が世帯全体に及ぶため、収入減シナリオでの試算が欠かせない。
- 金利タイプを選んだら、団信・諸費用・繰上返済条件まで含めて複数行を比較するステップを忘れない。まずは無料診断で自分の借入条件を把握するのが近道。
運営者:マイホーム購入・住宅ローン審査ナビ編集部
対応分野:住宅ローン審査・借り換え・住宅購入・不動産売却・住み替え・家計見直し・住宅設備
本記事の作成にあたっては、住宅金融支援機構の公表資料、各金融機関の公式サイト、日本銀行の公表資料を参照しています。金利・制度・各行の取り扱いは変更される可能性があるため、最新情報は各金融機関の公式サイトおよび住宅金融支援機構の公表資料でご確認ください。
免責事項
本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の金融商品・サービスへの申込みを推奨するものではありません。住宅ローンの審査結果・適用金利・諸費用は、金融機関・申込者の属性・信用情報・物件条件などにより異なります。税制・補助金・制度は今後変更される可能性があります。個別の判断にあたっては、各金融機関、必要に応じてファイナンシャルプランナー・税理士などの専門家にご確認ください。



