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変動金利と固定金利、2026年はどっちを選ぶ?金利差が広がった今の判断軸とフラット35との比較

最終更新日:2026年5月23日(2026年5月の主要行金利・フラット35金利を反映)

これから住宅ローンを組む段階で、変動金利と固定金利のどちらを選ぶかは多くの人がつまずくポイントです。2026年に入ってからは、固定金利が先行して大きく上昇する一方、変動金利は0.9%前後にとどまり、両者の金利差が近年でも目立つ水準まで広がっています。「上昇局面の今こそ固定」とも、「差が大きすぎる今は変動」とも言われますが、実際は家計・残期間・働き方によって最適解が変わります。この記事では2026年5月時点の実態に沿って、迷いを整理するための判断軸を整理しました。

この記事の結論を先に

  • 2026年5月時点で、メガバンクの変動金利は0.9〜1.1%台、10年固定は2.6〜3.1%台、全期間固定は3%台後半、フラット35は2.71%(買取型・21〜35年・新機構団信付)が中心。
  • 変動と固定の金利差は概ね1.7〜2.0%前後あり、初期返済額の差は無視できない大きさ。
  • 「家計のバッファが薄い・転職予定がある・教育費ピーク前」なら固定寄り、「金融資産が厚い・残期間が短い・繰上返済余力あり」なら変動寄りが現実的。

2026年5月の住宅ローン金利マップ(主要行と金利タイプ別)

まず現在地を整理します。2026年5月時点の主な金融機関の適用金利の目安は次のとおりです(最優遇水準・新規借入・新機構団信または一般団信込みを想定/各行公表値をもとに整理)。

金融機関 変動 10年固定 全期間固定(35年)
三菱UFJ銀行 年0.945%程度 年2.6〜2.8%程度 年3.7%台
三井住友銀行 年1.0%前後 年2.8〜3.0%程度 年3.7%台
みずほ銀行 年0.9%台後半 年2.7%前後 年3.6%台
ソニー銀行 年0.9%台後半 年2.6%前後 取扱限定
SBI新生銀行 年0.99%程度 年2.6%前後 取扱限定
フラット35(買取型・21〜35年) 年2.71%(最多金利)

正確な最新値は各金融機関の公式サイトおよび住宅金融支援機構(フラット35)の最新金利でご確認ください。フラット35の長期推移は【フラット35】金利情報(公式)に掲載されています。

注目したいのは、全期間固定よりフラット35のほうが金利が低い「逆転現象」が起きている点です。これは住宅金融支援機構側が長期金利上昇を一定程度吸収していることが背景にあると見られています。

なぜ固定金利のほうが先に上がるのか

「日銀の利上げは政策金利の引き上げなのに、なぜ固定金利のほうが大きく動いたのか」という疑問は多くの方が持ちます。理由は、変動金利と固定金利が見ている指標が違うためです。

変動金利は、銀行が短期で資金調達するときの金利(短期プライムレート、ベースは日銀の政策金利)に連動します。一方、固定金利は10年物国債利回りなど長期金利に連動します。SBI新生銀行も金利上昇による住宅ローンへの影響で同様の仕組みを解説しています。

長期金利は「今後数年〜十数年の利上げ見通し」を先回りして織り込むため、政策金利が動く前から上昇しやすい性質があります。2026年に入ってからの動きはまさにこの典型で、日銀の追加利上げ観測が強まるなかで10年国債利回りが上振れし、固定金利・フラット35が先行して引き上げられた構図です。

「固定が上がった=変動も同じだけ上がる」ではない

固定金利の上昇は将来予想を反映したものなので、実際の政策金利がそこまで上がらなければ変動金利の上昇は緩やかになる可能性もあります。ただし日銀は段階的な利上げ姿勢を示しており、変動金利も2026年に入って各行が引き上げを行っている点は事実として押さえておく必要があります。

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変動金利を選んでよい人の3条件

変動金利は当初金利の低さが最大の魅力ですが、その低さは「金利上昇リスクを自分で背負う」ことの対価でもあります。次の3条件のうち、できれば2つ以上当てはまる方は、変動を中心に検討しても整合性が取れやすい層です。

条件1:返済額が増えても家計が耐えられる年収・支出バランス

返済比率(年収に対する年間返済額の割合)が20%以下、かつ毎月の家計に数万円以上の余白がある世帯は、月返済額が将来1〜2万円増えても致命傷にはなりにくい層です。借入額の目安については年収400万円で住宅ローンはいくらまで借りられるかで年収別の整理を行っています。

条件2:金融資産で「数年分の利息増」を吸収できる

仮に金利が1〜2%上昇した場合の追加利息分を、預貯金や投資信託などの金融資産で繰上返済できる余力があれば、変動金利のリスクはかなり限定的になります。一般的には借入額の20〜30%相当を流動性のある資産で持てるなら、変動金利を選ぶ合理性が増します。

条件3:残期間が短め、または繰上返済の予定がある

15〜20年で完済する計画なら、長期間の金利上昇リスクにさらされる期間が短く、変動金利の初期メリットを享受しやすくなります。逆に「35年フルで借りて、繰上返済も予定なし」というプランで変動を選ぶのは、リスクと向き合う準備が必要です。

固定金利を選んだほうが安心な人の3条件

固定金利は「将来上がるかもしれない不安を、当初の高めの金利で買う」選択です。次の条件に当てはまる場合、固定の安心料に支払う価値が出やすくなります。

条件1:家計のバッファが薄く、返済額の予測可能性を最優先したい

共働きでも教育費・保育料の負担で月々の余白が少ない、シングルインカムで予備費が薄いなど、月返済額が数万円増えると家計が回らなくなるケースでは、返済額が変わらない安心は実利として大きくなります。

条件2:今後10〜15年に教育費ピークが来る

大学進学を含む教育費ピーク期と、変動金利上昇局面が重なると、家計の同時多発的な負担増になります。子どもが小さいうちにローンを組む世帯ほど、固定で「教育費期間中の住居費を固定する」発想が現実的です。

条件3:転職・独立・収入変動の予定がある

3〜5年以内に転職・独立を検討している場合、収入面の不確実性が増します。返済額まで不確実だと意思決定が難しくなるため、住宅ローンは固定で「変えない部分」にしておくほうが、ライフプラン全体が組みやすくなります。

判断の軸を1枚で整理

  • 家計バッファ:薄い → 固定寄り/厚い → 変動寄り
  • 金融資産:少ない → 固定寄り/借入の20〜30%以上ある → 変動寄り
  • 残期間:30〜35年 → 固定の価値が増す/15〜20年 → 変動の合理性が増す
  • 収入の安定度:不安定 → 固定寄り/安定・成長中 → 変動寄り
  • 教育費ピーク:これから10年以内 → 固定寄り/すでに過ぎた → 変動寄り

ペアローン・収入合算世帯が特に注意すべき点

ペアローンや収入合算は借入可能額を伸ばせる一方、金利選びの影響も2倍に効きます。たとえば夫婦で合計6,000万円を変動0.9%で借りた場合と全期間固定3.7%で借りた場合では、当初の月返済額に5万円以上の差が出ます。世帯収入に対する返済比率が高めの設計だと、固定にした瞬間に家計が回らなくなることもあります。

一方で、ペアローンは「どちらか一方の収入が減るリスク」が常にあります。育休・産休・介護離職・転職などで一時的に世帯収入が落ちる局面が想定されるなら、少なくとも一方を固定にする、あるいはミックスローンにするといった設計でリスク分散する考え方も現実的です。育休・退職を含むペアローンの実務的な論点はペアローンは片方が退職・育休中でも借り換えできる?で整理しています。

「2人で変動・フルローン・35年」は最もリスクが集中しやすい組み合わせ

頭金なしフルローンを2人で変動・35年で組むと、金利上昇・収入減・離婚・物件価格下落のすべてのリスクに対して耐性が薄くなります。フルローンの構造的なリスクは頭金なしフルローンのメリット・デメリットで詳しく整理しています。

迷ったら「ミックスローン」という第3の選択肢

多くの銀行で、1本のローンの中で「変動と固定を組み合わせる」ミックスローンが利用できます。たとえば3,000万円のうち、1,500万円を変動・1,500万円を全期間固定にすると、金利上昇局面でも全体のうち固定部分は影響を受けず、変動部分の上昇影響だけに限定できます。

夫婦のペアローンでも「夫=変動、妻=固定」という割り当て方も実質的にミックスと同じ効果を持ちます。フラット35と民間銀行の変動を併用する組み方を扱っている銀行もあります。

ミックスは万能ではない

2本立てになるため事務手数料・登記費用が割高になりやすい、繰上返済時にどちらを優先するか考える手間が増える、といったデメリットもあります。「どちらか決められないからミックス」だと中途半端になりやすく、なぜミックスにするのか(リスク分散か、教育費ピーク対応か)を明確にしてから選ぶのが現実的です。

変動と固定、返済額の差はどれくらい出るか

具体的に金額で比較してみます。借入3,500万円・期間35年・元利均等・ボーナス払いなしで試算した場合の月返済額の目安です。

金利タイプ 金利 月返済額 総返済額
変動 0.95% 約9.78万円 約4,107万円
10年固定 2.70% 約12.89万円 約5,415万円(10年後再計算前)
フラット35 2.71% 約12.91万円 約5,422万円
全期間固定 3.70% 約14.91万円 約6,262万円

月返済額の差は変動と全期間固定で約5万円、変動とフラット35で約3万円。35年で見ると総返済額の差は2,000万円超になります。ただし、これは「変動が35年間ずっと0.95%のままだった場合」の数字です。仮に5年ごとに0.25%ずつ上昇するシナリオなら、変動の総返済額も大きく増えることになり、現時点での単純比較だけでは判断材料として不十分な点に注意が必要です。

銀行ごとの審査基準についても整理しておきたい方は銀行員が絶対に教えない住宅ローン審査の本当の基準もあわせて参考にしてください。

自分の条件で最適な銀行を比較する方法

ここまで整理してきたとおり、変動か固定かは「正解」がある問いではなく、家計・残期間・働き方・金融資産との組み合わせで決まる問題です。さらに、同じ「変動0.9%」でも、銀行によって団信の内容・繰上返済手数料・諸費用が異なるため、金利タイプを決めた後にもう一段、銀行の比較が必要になります。

自力で1行ずつ仮審査を進めると、信用情報への照会が増えるうえに時間がかかります。最初の比較段階では、属性情報から候補を絞り込む診断サービスを使い、本命を2〜3行に絞ってから正式申込みに進む流れが現実的です。

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よくある質問

変動と固定の金利差が大きい今は、どちらが「お得」ですか?
単純比較では変動が圧倒的に低くなりますが、それは「金利が上がらなかった場合」の話で、上昇すれば差は縮みます。お得かどうかは「将来の金利」を当てる問題なので、誰にも断定はできません。お得さで決めるのではなく、自分の家計が金利上昇に耐えられるかどうかで決める発想に切り替えるほうが現実的です。
フラット35と民間銀行の全期間固定では、どちらを選ぶべきですか?
2026年5月時点ではフラット35のほうが金利水準が低い傾向があり、団信や物件要件で問題なければフラット35が候補に上がりやすい状況です。ただし、フラット35は物件の技術基準を満たす必要があり、団信加入は任意です(その分金利は変わります)。民間銀行の全期間固定はがん団信などの上乗せ保障を選びやすいなどの違いもあり、保障内容まで含めて比較する必要があります。
10年固定が終わった後の金利が怖いです。最初から全期間固定のほうが安心ですか?
10年固定は「10年後の金利環境次第で大きく返済額が変わる可能性がある」商品です。10年後に金利が高止まりしていれば、変動以上に返済額が跳ねるリスクもあります。10〜15年で完済予定があるなら10年固定でもよいですが、それ以上の残期間があるなら、最初から全期間固定やフラット35で「変えない設計」にする選択肢を検討する価値があります。
共働きの場合、夫婦で違う金利タイプにする意味はありますか?
ペアローンを組む場合、夫婦で別々の金利タイプを選ぶことで、世帯としてのリスク分散になります。たとえば収入が安定している側を固定、副収入や変動可能性のある側を変動にする組み合わせも考えられます。ただし、片方が育休・退職した場合の影響は両方のローンに及ぶため、収入減シナリオでの試算は必ず行ったうえで決めるのが安全です。
金利が上がりそうな今、購入自体を延期したほうがよいでしょうか?
金利だけ見れば待つほうが不利になる可能性がありますが、物件価格・住宅取得控除・年齢に伴う借入可能期間も総合判断が必要です。金利が今後上がっても、物件価格や賃料負担の動向次第で総コストが下がるとは限りません。「金利が安いから買う」「金利が高いから待つ」のどちらでも単独では判断材料として不十分で、家計とライフプランの両面から検討するほうが現実的です。

まとめ

  • 2026年5月時点で、変動と固定の金利差は約1.7〜2.0%まで広がっており、初期返済額の差は無視できない。
  • 固定金利は長期金利連動のため、政策金利の動きに先行して上昇しやすい構造を持つ。
  • 家計バッファ・残期間・金融資産・収入の安定度・教育費ピークの5軸で、変動寄り/固定寄りを整理するのが現実的。
  • ペアローンや収入合算では、金利選びの影響が世帯全体に及ぶため、収入減シナリオでの試算が必須。
  • 金利タイプを選んだら、団信・諸費用・繰上返済条件まで含めて複数行を比較するステップを忘れない。

運営者:マイホーム購入・住宅ローン審査ナビ編集部

対応分野:住宅ローン審査・借り換え・住宅購入・不動産売却・住み替え・家計見直し・住宅設備

本記事の作成にあたっては、住宅金融支援機構の公表資料、各金融機関の公式サイト、日本銀行の公表資料を参照しています。金利・制度・各行の取り扱いは変更される可能性があるため、最新情報は各金融機関の公式サイトおよび住宅金融支援機構の公表資料でご確認ください。

免責事項

本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の金融商品・サービスへの申込みを推奨するものではありません。住宅ローンの審査結果・適用金利・諸費用は、金融機関・申込者の属性・信用情報・物件条件などにより異なります。税制・補助金・制度は今後変更される可能性があります。個別の判断にあたっては、各金融機関、必要に応じてファイナンシャルプランナー・税理士などの専門家にご確認ください。

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