
最終更新日:2026年5月11日
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10年固定や5年固定の特約期間が終わると、銀行から「金利タイプ選択のご案内」が届きます。そのまま放置すると自動で変動金利に切り替わる銀行が多く、適用金利は当初の優遇幅より小さくなるケースもあります。継続するか、固定に再設定するか、変動に切り替えるか、それとも他行に借り換えるか。4つの選択肢を、金利・手数料・団信・残期間・家計余力の5つの軸で整理し、自分に合う出口を選べるように解説します。
固定期間が終わると何が起きるのか
固定期間選択型の住宅ローンは、契約時に決めた特約期間(3年・5年・10年など)が終わると、その時点の店頭金利と優遇幅をもとに金利が再設定されます。多くの銀行では、特約終了時に書面が届き、所定の期日までに金利タイプを選択しない場合は、自動的に変動金利に移行する仕組みになっています。
固定期間終了時に押さえておきたい4つのポイント
- 当初優遇よりも引下げ幅が小さくなることがある(銀行・契約時期による)
- 未選択の場合は自動で変動金利になる銀行が多い
- 再び固定を選ぶ場合、その時点の固定金利が適用される
- 変動に切り替えると、5年ルール・125%ルールが再適用されるかは銀行の規約による
「当初10年は0.7%だったのに、終了後は1.3%になっていた」というケースは珍しくありません。これは金利が上がったからではなく、当初優遇期間中の引下げ幅が大きく、終了後の引下げ幅が縮小する契約だったことが原因です。まずは銀行から届いた書面で、適用される店頭金利と引下げ幅を確認するところから始めます。
変動金利の動向については、日銀利上げで変動金利が上がった場合の返済額シミュレーションも合わせて確認しておくと、選択肢を判断しやすくなります。
選べる4つの選択肢を整理する
固定期間終了時に取れる選択肢は、大きく分けて4つです。それぞれの特徴を先に押さえておきます。
| 選択肢 | 内容 | 主なメリット | 主なデメリット |
|---|---|---|---|
| ①そのまま変動へ自動移行 | 手続きをせず変動金利に切り替わる | 手間がかからない/当面の金利は低めになることが多い | 引下げ幅が小さくなる契約だと割高な変動金利になる場合がある |
| ②同じ銀行で固定を再選択 | 3年・5年・10年などの固定特約を再設定 | 返済額が一定期間固定され家計管理がしやすい | 固定金利は変動より高め/再設定時の優遇幅も要確認 |
| ③同じ銀行で変動を選択 | 変動金利型に明示的に切り替える | 当面の金利負担を抑えやすい | 金利上昇リスクを自分で抱える |
| ④他行へ借り換え | 別の金融機関で新たにローンを組み直す | 金利・団信・優遇幅をリセットできる | 事務手数料・登記費用などで数十万円かかる/審査が必要 |
どの選択肢が有利かは、残債・残期間・家計余力・金利観によって変わります。次の章で、判断軸を5つに分解して見ていきます。
判断材料は5つの軸で整理する
①金利差は「実質金利」で比べる
表面金利だけで比較すると判断を誤りやすくなります。借り換えの場合は、事務手数料(借入額の2.2%が一般的)・保証料・登記費用などを含めた実質金利で比べることが必要です。一般的に、残債1,000万円以上・残期間10年以上・金利差0.3%以上が借り換えメリットが出やすい目安とされていますが、これは諸条件によって変わります。
②残期間と残債のバランス
残期間が短い、または残債が少ない場合は、借り換えの諸費用を回収しきれないことがあります。一方で残期間が15年以上ある場合、0.2%程度の金利差でもメリットが出るケースもあります。
③団信の内容
借り換えのタイミングで、がん団信・全疾病保障付き団信などに切り替えられる場合があります。ただし健康状態の告知が必要で、持病があると加入できないこともあります。継続を選ぶ場合は今の団信がそのまま続きますが、借り換えると団信は新たに加入し直すことになる点に注意します。
④家計余力と金利上昇耐性
変動金利を選ぶ場合、将来の金利上昇に耐えられる家計かを確認しておきます。目安として、現在の返済額が金利+1%相当になっても家計が回るかをシミュレーションしておくと安心です。教育費のピークと重なる時期がある場合は、その期間だけ固定にする選択肢もあります。
⑤手続きの手間と時間
借り換えは審査・契約・登記で1〜2か月程度かかります。同じ銀行内での金利タイプ変更は書類1枚で完了する銀行が多く、手数料も数千円〜1万円程度に収まるのが一般的です。
タイプ別・どの選択肢が向いているか
残期間が長く残債が多い人(残期間15年以上・残債1,500万円以上)
金利差が0.3%以上ある他行への借り換えメリットが出やすいタイプです。団信の見直しも同時にできるため、健康状態に問題がなければ比較する価値があります。
残期間が短い人(残期間10年未満)
借り換え諸費用の回収が難しいことが多く、同じ銀行内で固定または変動を選び直す方が現実的です。条件によっては銀行に金利交渉を打診できる場合もあります。
金利上昇に備えたい人
再度固定(5年・10年)を選ぶか、固定金利が低めの他行へ借り換える選択肢が合います。教育費のピークまでの期間だけ固定にする使い方もできます。
当面の返済額を下げたい人
変動金利への切り替えまたは借り換えで月々の返済額を下げられる可能性があります。ただし金利上昇リスクを抱える点と、繰上返済原資を別途確保できるかを合わせて検討します。
判断フロー:4択を絞り込む順番
ステップ1 銀行から届いた書面で、終了後の店頭金利・引下げ幅・適用金利を確認する
ステップ2 残債・残期間・現在の毎月返済額を整理する
ステップ3 他行の借り換え金利と団信内容を複数比較する
ステップ4 諸費用込みの実質金利で「継続」と「借り換え」を比べる
ステップ5 金利上昇に備える必要があるかを家計の観点で判断する
ステップ6 固定/変動/借り換えの中で総返済額が最も少ない選択肢を選ぶ
順番が大切で、いきなり「変動か固定か」だけで決めると、借り換えで条件が大きく変わる可能性を見落とします。書面確認→残債整理→比較→判断、の流れを崩さないようにします。
よくある誤解と注意点
誤解しやすいポイント
- 「固定期間が終わる=金利が上がる」ではなく、引下げ幅の縮小が原因のケースが多い
- 同じ銀行内の金利タイプ変更は、変動から固定への変更が制限される銀行もある
- 借り換え時の団信加入には健康状態の告知が必要で、持病があると加入できない場合がある
- 諸費用を新たな借入額に上乗せすると、月々返済額は下がっても総返済額が増えることがある
- 5年ルール・125%ルールは銀行・商品ごとに有無が異なり、ネット銀行では適用されないこともある
借り換えの諸費用が用意できない場合の選択肢については、住宅ローン借り換えの手数料が払えない場合の対処法でも整理しています。借り換え審査に落ちる原因を先に知っておきたい人は、借り換え審査に落ちる人の特徴と原因も参考になります。
借り換えメリットの目安をつかむ
一般的に借り換えメリットが出やすいとされる目安は、残債1,000万円以上・残期間10年以上・金利差0.3%以上の3条件がそろうケースです。あくまで目安で、団信内容や家計状況、繰上返済の予定によっても変わります。
1,000万円〜
残債の目安
10年〜
残期間の目安
0.3%〜
金利差の目安
例えば残債2,000万円・残期間20年・金利差0.5%の場合、諸費用を差し引いても総返済額で100万円以上の差が出ることがあります。逆に残期間が7年・残債500万円・金利差0.2%という条件では、諸費用を回収できず逆効果になる可能性が高くなります。
住宅ローンの金利動向や減税制度については、住宅金融支援機構(フラット35公式)や国土交通省の公表資料もあわせて確認できます。
借り換えを検討するなら複数社比較が前提
固定期間終了後の選択は、同じ銀行から届いた書面だけを見て決めると、他行で出せる条件を見落としやすくなります。借り換えの判断は、複数行の金利・団信・手数料を並べて初めて意味を持ちます。とはいえ、銀行ごとに個別に問い合わせるのは負担が大きく、属性によっては審査が通る銀行と通らない銀行に分かれるため、自分の条件で借りられる銀行を把握することが先決です。
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借り換えメリットの有無を診断したい人へ
モゲチェックの住宅ローン診断では、残債・残期間・現在の金利を入力するだけで、借り換えメリットが出るかと、自分の属性で借りやすい銀行を確認できます。
- 固定期間終了が近いが借り換えるべきか迷っている人
- 複数の銀行を1社ずつ調べる時間がない人
- 団信の見直しも含めて比較したい人
※本リンクはプロモーションです。診断結果は申込時の審査結果を保証するものではありません。
家計全体の見直しと合わせて考えたい人へ
固定期間終了のタイミングは、教育費・保険・老後資金など家計全体を見直す機会でもあります。返済額の増減だけでなく、繰上返済をするか、団信を厚くするか、貯蓄・投資に回すかなど、トータルでの判断が必要な場合は、第三者の視点でのアドバイスが役立ちます。
家計全体の中で住宅ローンの返済計画をどう設計するかを相談したい場合は、ファイナンシャルプランナーへの無料相談も選択肢の一つです。
よくある質問
固定期間が終わる前に何か手続きをする必要はありますか?
同じ銀行で金利タイプを変えるのと、他行に借り換えるのはどちらが得ですか?
変動金利にすると返済額はどのくらい下がりますか?
借り換え時に団信に入り直せないことはありますか?
固定期間終了の案内が来てから銀行に金利交渉はできますか?
まとめ:書面確認→比較→判断の順番で進める
- 固定期間終了後は「継続(自動変動)」「同行で固定」「同行で変動」「他行へ借り換え」の4択
- 金利が上がるのではなく、引下げ幅の縮小で実質金利が上がるケースが多い
- 判断は金利差・残期間・残債・団信・家計余力の5軸で整理する
- 残債1,000万円・残期間10年・金利差0.3%が借り換えメリットの目安
- 団信を切り替える場合は健康状態の告知が必要になる
- 銀行書面で適用金利を確認した上で、複数行を比較してから決める
固定期間終了は、住宅ローンの条件をリセットできる数少ないタイミングです。「届いた書面に書かれた金利で続ける」が前提ではなく、4つの選択肢を並べた上で、自分の残債・残期間・家計に最も合うものを選ぶ視点を持っておきたいところです。
運営者:マイホーム購入・住宅ローン審査ナビ編集部
住宅ローン・マイホーム購入・不動産売却・住み替え・家計見直し・住宅設備分野について、住宅金融支援機構、国土交通省、金融庁、各金融機関の公表情報などの一次情報を参照しながら記事を作成しています。記事は公開時点・更新時点の情報に基づいており、制度・金利・補助金などは変更される場合があります。
免責事項
本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の金融商品の購入・借り換えを推奨するものではありません。住宅ローン審査の結果は、金融機関・申込者の属性・信用情報・物件条件などにより異なります。金利・税制・補助金・団信などの制度は変更される可能性があるため、最新情報は各金融機関・公的機関の公式サイトでご確認ください。個別の判断については、金融機関・不動産会社・税理士・ファイナンシャルプランナーなどの専門家へのご相談をおすすめします。



