
「育休中(または時短勤務中)だけど、注文住宅のローン審査を通したい」。この相談、東海圏ではとても多いです。結論から言うと、収入合算の設計と復職を裏づける書類が揃えば、十分に勝ち筋があります。本記事では、愛知・岐阜の実務を前提に、通すための設計手順・必要書類・会社への依頼文例を、最短で動ける形にまとめました(つなぎ融資には触れません)。
最終更新:2025-08-10/注意:審査運用は金融機関・支店・保証会社・時期で異なります。必ず最新の公式情報を確認してください。
先に結論(大事な3点)
- 収入合算は「方式」と「団信」で選ぶ(連帯保証・連帯債務・ペアローンの違いを理解)
- 復職予定を“会社の書面”で可視化(復職予定日・雇用形態・所定労働時間・見込年収)
- 「今の収入」ではなく「復職後の年収」で判定できるよう、必要書類を初回で出し切る
収入合算の3方式|どれを選ぶ?(夫婦・カップル想定)
方式 | 概要 | 向いているケース | 注意点 |
---|---|---|---|
収入合算(連帯保証) | 主債務者1名+配偶者は連帯保証人。年収合算でDTI判定。 | 主債務者中心で借りたい/諸費用や名義をシンプルにしたい | 団信は主債務者のみ。保証人側の保障は別途検討が必要。 |
連帯債務 | 夫婦で同一ローンを共同で負う。年収合算+双方が債務者。 | フラット35や一部の地銀で選択可。 夫婦双方の保障(夫婦連生団信等)を重視 |
手続・書類がやや増える。取り扱いは商品次第。 |
ペアローン | 夫婦それぞれが別々のローンを組む(2本立て)。 | 控除・団信を双方に確保/持分比率を柔軟にしたい | 諸費用が2本分。返済負担も2本で管理(審査はやや複雑)。 |
育休・時短のケースでは、「連帯保証で合算」か「連帯債務」が選ばれることが多め。育休中の方を“合算側”に回す設計が通りやすいこともあります。
育休・時短の「見られ方」基礎
- 育児休業給付金・出産手当金は、原則「安定収入」とみなされにくい(審査の年収算入対象外になることが多い)
- 児童手当も原則算入対象外
- 時短勤務は、復職後の所定労働時間に応じた実質の年収見込みで評価(フルタイムと同額で見ない)
- 復職予定が明確なら、会社の書面をもって復職後の年収ベースで審査してもらえる余地がある
必要書類(初回で出し切る)
共通(愛知・岐阜)
- 本人確認(運転免許証・健康保険証)
- 住民票・印鑑証明(発行期限に注意)
- 収入書類:源泉徴収票(直近)/給与明細(目安3か月)
- 既存借入の残高証明・返済予定表(自動車・カードローン・リボ等)
- 物件書類(売買契約書/注文は請負契約・見積・仕様書・工程表)
育休・時短の追加書類(重要)
- 復職予定証明書(会社発行)
- 復職予定日
- 雇用形態(正社員・契約等)
- 所定労働時間(時短の有無・時間数)
- 復職後の見込年収(または月額給与・手当の内訳)
- 就労条件(雇用契約書・就業条件明示書の最新版)
- 直近の健康診断結果(団信の告知に不安があれば)
- 保育園の入園内定通知(任意:復職実現性の裏づけとして有効な場合あり)
復職予定証明の取り方(人事・総務への依頼)
メール依頼文例
件名:復職予定証明書の発行依頼(住宅ローン審査用) 総務人事部 各位 お疲れさまです。◯◯部の◯◯です(社員番号◯◯)。 住宅ローン審査に必要なため、下記の項目が記載された 「復職予定証明書」の発行をお願いできますでしょうか。 ・氏名、生年月日、社員番号 ・復職予定日(◯年◯月◯日) ・雇用形態(例:正社員) ・所定労働時間(例:9:00〜18:00、時短の有無と時間数) ・復職後の見込年収(または月額給与・手当の内訳) ・就業場所・部署 ・発行日、会社名、担当者名、押印 可能でしたら会社ロゴ入りレターヘッドでの発行をお願いいたします。 必要であれば書式をご提供します。ご検討よろしくお願いいたします。
会社側書式のサンプル(項目例)
復職予定証明書 氏名:________ 生年月日:__年__月__日 社員番号:________ 復職予定日:__年__月__日 雇用形態:正社員(または契約社員 等) 所定労働時間:__:__〜__:__(時短の有無・短縮時間__時間) 復職後の見込年収:__万円(または月額給与__円+手当__円) 就業場所・部署:________ 上記のとおり相違ありません。 __年__月__日 会社名________ 所在地________ 担当部署・氏名________(押印)
補足:給与見込みの記載が難しい場合でも、雇用形態・所定労働時間・復職日が明記されていれば評価につながります。必要に応じて直近の賃金規程・就業規則の抜粋で補強しましょう。
設計の実務|ケース別の通し方
ケース1:主債務者=夫、妻が育休中(復職予定)
- 方式:連帯保証で収入合算が王道。妻の復職予定・所定労働時間・見込年収を会社書面で補強。
- DTI対策:自動車・カード等の毎月額が大きい借入から圧縮(完済・枠0円化)。
- 団信:主債務者中心。万一時の保障は死亡保険等で家計側から補完も検討。
ケース2:主債務者=妻(復職予定)、夫がフルタイム
- 方式:連帯保証 or 連帯債務。妻の復職の確度(証明書・保育内定)を厚めに。
- 提出:復職証明+雇用契約+産前の給与明細(参考)で「復職後年収」を説明。
ケース3:時短勤務が長期(1〜2年継続予定)
- 判定:時短の実収入ベースで年収を置くのが現実的。無理な借入額は避ける。
- 方式:ペアローンで分散する方法もあるが、諸費用増を加味して総額で判断。
スケジュール(最短化の型)
- −60〜−45日:収入合算の方針決定(方式・団信)/必要書類の棚卸し
- −45〜−30日:復職証明の社内依頼→入手/既存借入の圧縮(完済・枠0円化)
- −30〜−21日:事前審査に出す(午前中提出+書類100%先出し)
- −21〜−7日:条件擦り合わせ→本申込の準備(団信告知は正確に)
愛知・岐阜|書類の最短取得Tips
- 住民票・印鑑証明:コンビニ交付対応自治体多数(名古屋市・岐阜市含む)。
夜間・早朝取得でタイムロスを削減。 - 課税(所得)証明:名古屋市は区役所・市税事務所で即日発行可(郵送あり)。岐阜市も市役所・支所で発行。詳細は各市公式を確認。
- 保育関連:入園内定通知は任意添付。復職の現実性を示す補助資料として有効な場合あり。
よくある“落ちる理由”と回避策
- 育休手当や児童手当を年収に入れて申告→ 原則カウントされません。復職後年収の証憑を。
- 復職時期が未定→ 証明書で日付と就業形態を明記。未定なら借入額を抑える。
- 時短の時間数が未確定→ 就業条件明示書に記載。未確定なら会社の予定通知で当面の時間数を明記。
- 借入が多い→ 月額の大きい順に完済・枠0円化。完済証明・変更通知を添付。
- 団信告知の迷い→ 未告知は契約リスク。健診結果・主治医の所見で正確に告知。
チェックリスト(コピペ保存)
- [ ] 収入合算の方式を決定(連帯保証/連帯債務/ペアローン)
- [ ] 復職予定証明(復職日・雇用形態・所定労働時間・見込年収)を会社へ依頼
- [ ] 雇用契約・就業条件明示書の最新版を準備
- [ ] 育休手当・児童手当を年収に含めていない
- [ ] 既存借入は月額の大きい順に完済・枠0円化(証跡保存)
- [ ] 物件書類(売買契約/請負・見積・仕様・工程表)を初回で提出
- [ ] 団信告知の準備(健診結果・既往歴の整理)
無料サポートのご案内(最短で通す設計を個別に)
育休・時短中でも通るように、収入合算の方式選定・復職証明の書式・提出書類のパッケージを無料で作成します。状況に応じて、借入圧縮の優先順位や申込先タイプの使い分けもご提案します。
出典・参考(公式)
本記事は一般的な情報提供です。審査基準・年収算入の扱い・必要書類は金融機関により異なります。最新の商品概要・窓口案内をご確認ください。