
「仮審査、見送りでした」と連絡が来ると、誰でも焦ります。ですが、打つ手はあります。愛知(名古屋・三河・尾張)での実務を前提に、原因の切り分け→冷却期間の考え方→再申込の段取りを、最短でやり切る手順に落としました。文例(不動産会社・勤務先・次の申込先)もそのまま使えます。
最終更新:2025-08-10/注意:審査運用や要件は金融機関・支店・保証会社・時期で異なります。必ず最新の公式情報で確認してください。
先に結論(48時間でやること)
- 多重申込を止める(申込情報は信用情報に約6か月残ります)
- スケジュールを確保(売買契約済みなら、まず不動産会社へ期日の相談=文例あり)
- 信用情報を一次情報で確認(CIC/JICC/KSC)
そのうえで、返済比率(DTI)・属性・物件情報・団信(健康告知)のどこが詰まったかを1つずつ潰してから、次の1社に絞って出し直します。
仮審査に落ちる主な理由はこの5つ
- 信用情報:延滞・異動・短期の多重申込・債務整理の履歴 等
- 返済比率(DTI):年収に対して月返済が重すぎる(審査金利で超過)
- 属性・勤務:勤続年数が短い、雇用形態、収入の安定性
- 物件情報:価格・権利関係・法規制 等の情報不足や懸念
- 団信(健康告知):告知内容の不一致・未提出
3分チェック(○が多い項目が“原因候補”)
- 過去1年に支払い遅れがある/ここ3か月で複数社に申込んだ
- 自動車・カード・リボなど毎月返済の合計が重い
- 転職1年未満/契約社員・派遣/自営で申告所得が低い年がある
- 物件の図面・契約書類が揃っていない/重要事項の未確認がある
- 団信の健康告知で迷っている/未提出
冷却期間の考え方(いつ、出し直す?)
- 申込情報は約6か月、信用情報に残ります。ただし「再申込は6か月待つべき」という明文ルールはありません。
- “状況が変わってから”次の申込が原則。例:自動車ローンを完済、カードのキャッシング枠を0円に変更、年収確定、物件書類を補強 など。
- 完済・枠変更などの情報反映は数日〜数週間のタイムラグ。証跡(完済証明・契約変更通知)を添えて説明すれば前倒し可能なことがあります。
目安:原因を潰してから1〜3週間で再申込(反映を待つ必要がある場合)。ただし、焦って原因未解決のまま出し直すのは逆効果です。
再申込の手順(愛知県版・最短ルート)
1. 現状の棚卸し(当日)
- 借入一覧:残高・毎月返済・金利・限度枠(自動車/カード/リボ等)
- 年収・勤続・雇用形態の変化点
- 物件書類の整備状況(販売図面・売買契約・重要事項のドラフト 等)
2. 信用情報の開示(当日〜翌日)
重要ポイント:61日以上(または3か月以上)の延滞=“異動”は重いキズ。時期調整や借入額縮小など、別ルートの検討が必要です。
3. DTI(返済負担率)を下げる(1〜7日)
- 毎月額の大きい順で返す/枠を潰す:自動車ローン → カードローン → リボ/キャッシング枠0円化
- 完済・枠変更の証跡を保管(完済証明、会員サイトのスクショ、変更通知)
4. 属性・書類の補強(並行して)
- 転職1年未満:雇用契約書(年収・試用期間)、直近給与明細、同業転職なら資格や実績
- 契約・派遣:更新実績(通知書)、社会保険加入の確認書類
- 自営:確定申告・青色申告決算書(2〜3期)、取引継続を示す契約書・入金明細
- 団信:迷う場合は健診結果を添え、告知は正確に
5. どこに再申込するか決める(7〜10日)
- 建売・中古のスピード重視:Web完結の窓口→メガのWeb窓口
- 属性の説明が必要:地銀・信金(担当者と対面 or 直通で密にやり取り)
短期の多重申込は逆効果。性格の違う1〜2先に絞って出します。
愛知ならではの“即日準備”の小ワザ
- 住民票・印鑑証明:マイナンバーカードがあれば多くの市区でコンビニ交付可(深夜/早朝対応)。自治体により例外あり。
- 課税(所得)証明:名古屋市は区役所・市税事務所で発行可(郵送可、詳細は公式で)。他市(豊田・岡崎・一宮など)も発行窓口を事前確認。
- 物件書類:中古なら管理会社から「長期修繕計画・総会議事録」などを仲介経由で早めに取得依頼。
文例(そのまま使えます)
1) 不動産会社へ「期日(ローン特約)の相談」
件名:ローン特約期日と進行スケジュールのご相談(◯◯市◯◯様邸) ◯◯不動産 ◯◯様 お世話になっております。買主の◯◯です。 本日、第一申込先の仮審査が見送りとなりました。原因は「返済比率が高い可能性」で、 ◯月◯日に自動車ローンを完済予定、完済証明取得後に別の申込先へ出し直します。 つきましては、ローン特約期日を◯月◯日まで延長いただけないか、 売主様へご相談をお願いできますでしょうか。 工程に影響が出ないよう、書類は先行して準備いたします。 何卒よろしくお願いいたします。
2) 次の申込先へ「原因と対処を添えた連絡」
件名:住宅ローン仮審査のご相談(原因と対処を添付) ◯◯銀行 住宅ローンご担当者さま 名古屋市◯◯区在住の◯◯と申します。 直近で他行の仮審査が見送りでしたが、原因はDTI超過の可能性です。 ◯月◯日に自動車ローン(毎月◯◯円)を完済し、完済証明を添付予定です。 カードのキャッシング枠は0円に変更済み(画面キャプチャ添付)です。 本人確認・収入・物件資料は本メールにて一式送付します。 お手数ですが、事前に可否と必要条件をご確認いただけますと幸いです。 在籍確認は◯日◯時〜◯時に受電可能です。よろしくお願いいたします。
3) 勤務先へ「在籍確認の周知」
(総務・人事宛) お疲れ様です。◯◯です。 住宅ローンの事前審査で、近日中に在籍確認の電話が代表番号宛に入る可能性があります。 氏名と在籍の確認のみで完了しますので、取次対応をお願いいたします。
“やってはいけない”5つ
- 否決直後の一斉申込(申込情報が並ぶ=リスク印象)
- 申込後の新規借入・クレカ増枠(スコア低下)
- 数字の不一致(年収・勤続・借入残高が申込と書類で違う)
- 物件情報の後出し(販売図面・契約書・重要事項のドラフトは初回で)
- 団信告知の曖昧な記載(未告知は契約解除リスク)
チェックリスト(保存用)
- [ ] CIC/JICC/KSCを開示し、延滞・異動・申込履歴を確認
- [ ] 毎月返済の大きい借入から完済(証明取得)/枠0円化
- [ ] 年収・勤続・雇用形態の証憑(雇用契約・給与明細 等)を揃える
- [ ] 物件資料(販売図面・契約書・重要事項ドラフト)を初回で提出
- [ ] 在籍確認の受電時間を申出、会社へ周知
- [ ] 再申込は性格の違う1〜2先に絞る
よくある質問(FAQ)
Q. 仮審査に落ちても本審査で通ることはありますか?
A. 原因が異なるなら有り得ますが、属性・書類・DTIが同じなら結果は概ね同じです。原因を潰してから次へ。
Q. どれくらい待てば再申込できますか?
A. 明文の“待機ルール”はありません。完済・枠変更などの対処後、反映を待つ必要があるなら1〜3週間が目安です。
Q. 何社まで同時に出して良い?
A. 短期の多重申込は逆効果です。性格の違う1〜2先に絞るのが無難。
Q. DTIの目安は?
A. 多くは30〜35%が目安(年収・商品で変動)。審査は“審査金利”で試算されます。毎月額の大きい借入から減らすのが近道。
Q. 延滞を解消したら情報はすぐ消えますか?
A. 記録自体はしばらく残ります(延滞・異動は原則数年)。完済証明・入金記録を添えて説明しましょう。
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出典・参考(公式)
- CIC(指定信用情報機関):開示方法・保有期間
- JICC(指定信用情報機関):開示方法・保有期間
- 全国銀行個人信用情報センター(KSC):官報情報の保有
本記事は一般的な情報提供です。最終判断は各金融機関の最新ルール・商品概要に基づきます。