はじめに
住宅購入を検討している方にとって、住宅ローン選びは非常に重要な決断です。2025年1月24日に、日本の政策金利(無担保コールレート)を0.50%程度に誘導することが決まりました。つまり、政策金利が0.25%追加利上げされるということです。このような金利環境の変化を受け、各金融機関の住宅ローン商品にも影響が出ています。
本記事では、ネット銀行、都市銀行(メガバンク)、地方銀行の住宅ローンを徹底比較し、あなたに最適な選択肢を見つけるお手伝いをします。
2025年最新の住宅ローン金利動向
現在の金利状況
2024年3月に行われた日銀の金融政策決定会合でマイナス金利の解除が決定されたのち、2025年1月に実施された金融政策決定会合にて政策金利は0.5%まで引き上げられています。
主要金利の動向:
- 変動金利:0.4~0.7%台で推移(2025年5月現在)
- 10年固定金利:1.6~2.0%台
- 全期間固定金利:2.0~2.5%台
2025年1月の金融政策決定会合で、政策金利を0.5%程度とする利上げが決定されました。植田日銀総裁の「中立金利は1〜2.5%」という発言もあり、今後のトランプ新大統領による経済政策の影響はありますが、日銀は年内にさらなる利上げに踏み切る可能性が高いと考えます。
ネット銀行の住宅ローン【2025年最新】
ネット銀行の特徴
メリット:
- 業界最低水準の金利:店舗運営費削減により実現
- 24時間オンライン手続き可能
- 手数料の安さ:保証料無料が多い
- 充実した団体信用生命保険:無料付帯サービスが豊富
デメリット:
- 対面相談が限定的
- 審査基準が厳格
- 融資実行までの期間が長め
主要ネット銀行の金利比較(2025年5月現在)
銀行名 | 変動金利 | 10年固定 | 特徴 |
---|---|---|---|
住信SBIネット銀行 | 0.298%~ | 1.65%~ | 全疾病保障無料、対面相談可能 |
auじぶん銀行 | 0.169%~ | 1.475%~ | がん50%保障無料、au優遇あり |
PayPay銀行 | 0.375%~ | 1.890%~ | Yahoo!連携サービス充実 |
楽天銀行 | 0.557%~ | 1.735%~ | 楽天ポイント還元 |
ソニー銀行 | 0.397%~ | 1.767%~ | AI住宅ローン診断 |
おすすめネット銀行TOP3
1位:住信SBIネット銀行
- 住信SBIネット銀行の強みは業界トップクラスの金利の低さでしょう。ネット銀行なのですが、何故か店舗の方が金利や団信サービスで魅力的なことがあるのもユニークです
- 全疾病保障が無料付帯
- SBIマネープラザで対面相談可能
2位:auじぶん銀行
- がんと診断、または4疾病(急性心筋梗塞、脳卒中、肝疾患、腎疾患)が所定の状態に該当・所定の手術を受けた場合、住宅ローン残高が半分になります。さらに全疾病長期入院保障も無料で付帯されます
- auユーザー向け金利優遇
- 定額自動入金サービス無料
3位:PayPay銀行
- シンプルで分かりやすい金利体系
- Yahoo!関連サービスとの連携
- 一般団信が65歳まで加入可能
都市銀行(メガバンク)の住宅ローン【2025年最新】
都市銀行の特徴
メリット:
- 全国展開の安心感:豊富な店舗網
- 総合的な金融サービス
- 対面サポートの充実
- 企業との提携サービス
デメリット:
- 金利がやや高め
- 手続きに時間がかかる場合がある
- 保証料が必要な場合が多い
主要都市銀行の金利比較(2025年5月現在)
銀行名 | 変動金利 | 10年固定 | 特徴 |
---|---|---|---|
三菱UFJ銀行 | 0.345%~ | 1.35%~ | 価格.com「住宅ローン」人気ランキング1位の商品は(2025年5月21日時点のランキング)、変動金利は三菱UFJ銀行で、金利は前月から変化なし |
三井住友銀行 | 0.475%~ | 1.95%~ | Oliveアカウント連携で優遇 |
みずほ銀行 | 0.375%~ | 1.80%~ | 2025年9月30日までに新たにお借入れいただいた場合、2025年12月返済まで年0.525%~、2026年1月返済からの金利は2025年10月1日に決定します |
りそな銀行 | 0.340%~ | 1.645%~ | WEB完結で金利優遇、女性向け特典あり |
都市銀行のおすすめポイント
三菱UFJ銀行
- 変動金利は三菱UFJ銀行で、金利は前月から変化なし 固定10年も三菱UFJ銀行で、金利は前月比−0.26%
- 7大疾病保障付住宅ローン ビッグ&セブン〈Plus〉
- 全国約300店舗でサポート
りそな銀行
- りそな銀行では、共働き世帯の利用者が増えているペアローンを組むことが可能。さらに、2024年10月よりペアローン契約者向けの「ペア団信」の取り扱いも始まりました
- 女性向け住宅ローン「凛next」
- WEB完結で金利優遇
地方銀行の住宅ローン【2025年最新】
地方銀行の特徴
メリット:
- 地域密着のきめ細かいサービス
- 地元優遇制度の充実
- 柔軟な審査対応
- 地域の不動産情報に精通
デメリット:
- 金利が高めの傾向
- サービス地域が限定的
- デジタル化の遅れ
地方銀行の金利傾向(2025年5月現在)
地方銀行は、地域に根ざした銀行であるため地域の特性やニーズに応じた柔軟な対応を可能としています。また、特定エリアでの住宅購入に対して特別な金利優遇や、地元の提携不動産事業者を利用した際の特典など、地域の振興を目的とした住宅ローンの優遇措置やキャンペーンを実施していることもあります。
一般的な金利水準:
- 変動金利:0.5~0.8%台
- 10年固定:1.8~2.3%台
- 全期間固定:2.3~2.8%台
地方銀行を選ぶべき人
- 地元での住宅購入を検討している方
- 対面での丁寧な相談を重視する方
- 地域の特別優遇制度を活用したい方
- 審査に不安がある方(柔軟な対応が期待できる)
【比較表】ネット銀行vs都市銀行vs地方銀行
項目 | ネット銀行 | 都市銀行 | 地方銀行 |
---|---|---|---|
金利の低さ | ⭐⭐⭐⭐⭐ | ⭐⭐⭐ | ⭐⭐ |
手続きの簡単さ | ⭐⭐⭐⭐⭐ | ⭐⭐⭐ | ⭐⭐ |
対面サポート | ⭐⭐ | ⭐⭐⭐⭐⭐ | ⭐⭐⭐⭐⭐ |
審査の柔軟性 | ⭐⭐ | ⭐⭐⭐ | ⭐⭐⭐⭐ |
団信の充実度 | ⭐⭐⭐⭐⭐ | ⭐⭐⭐⭐ | ⭐⭐⭐ |
諸費用の安さ | ⭐⭐⭐⭐⭐ | ⭐⭐⭐ | ⭐⭐ |
地域密着度 | ⭐ | ⭐⭐⭐ | ⭐⭐⭐⭐⭐ |
タイプ別おすすめ住宅ローン
金利重視派におすすめ
1位:auじぶん銀行
- 変動金利0.169%~(2025年5月現在)
- がん50%保障無料
- au優遇で最大年0.15%引下げ
2位:住信SBIネット銀行
- 変動金利0.298%~
- 全疾病保障無料
- 対面相談も可能
サポート重視派におすすめ
1位:三菱UFJ銀行
- 全国約300店舗
- 7大疾病保障充実
- 総合的な金融サービス
2位:りそな銀行
- 女性向けサービス充実
- ペアローン対応
- WEB完結可能
地域密着重視派におすすめ
各地域の主要地方銀行
- 横浜銀行(神奈川県)
- 千葉銀行(千葉県)
- 静岡銀行(静岡県)
- 福岡銀行(福岡県)
住宅ローン選びの5つのポイント
1. 金利タイプの選択
モゲチェックでは、変動金利をおすすめしています。多くの場合、各銀行の住宅ローンは変動金利が固定金利よりも低く設定されています。もし総返済額を抑えたいのであれば、変動金利をうまく活用することがおすすめです。
変動金利を選ぶべき人:
- 金利上昇リスクを理解している
- 繰上返済を積極的に行う予定
- 金利動向を定期的にチェックできる
固定金利を選ぶべき人:
- 返済額を一定にしたい
- 金利上昇を心配したくない
- 長期的な家計管理を重視
2. 団体信用生命保険の比較
無料で充実した保障のある銀行:
- 住信SBIネット銀行:全疾病保障
- auじぶん銀行:がん50%保障+全疾病保障
- PayPay銀行:一般団信(65歳まで)
3. 諸費用の確認
「融資事務手数料」は、ネット銀行では「融資額×2.2%」となるのが一般的ですが、大手銀行などは33,000円程度の設定となっているケースがあります。こうしてみると大手銀行のほうが有利にも見えてきますが、大手銀行では、数十万円もの「保証料」がかかってくるケースがあり、逆にネット銀行は保証料が無料なケースが普通です。
チェックすべき費用:
- 事務手数料
- 保証料
- 団信保険料
- 繰上返済手数料
4. 審査基準の理解
審査が通りやすい傾向:
- 地方銀行 > 都市銀行 > ネット銀行
審査で重視される項目:
- 年収と返済負担率
- 勤続年数と雇用形態
- 信用情報
- 健康状態
5. 将来の金利動向を考慮
2025年の春闘の行方が気になるところではありますが、それを見る際には、日本の企業の99%を占めるといわれている中小企業の賃上げと価格転嫁の状況も見落としたくないポイントです。
2025年の住宅ローン市場予測
金利上昇の可能性
国際通貨基金(IMF)は、2025年の日本の経済成長率が1.1%に達する見通しを示しており、それに伴い物価上昇が続くことで、日銀が2025年内に追加の利上げを実施する可能性があると指摘しています。さらに、2027年末までに政策金利を1~2%の間まで引き上げる可能性も示唆されています。
住宅ローン選びのタイミング
今すぐ検討すべき理由:
- 金利上昇トレンドの中で、現在は相対的に低水準
- 各銀行の優遇キャンペーンが充実
- 住宅ローン控除の活用期限
よくある質問(FAQ)
Q1: ネット銀行の住宅ローンは本当に安全ですか?
A: ネット銀行はWebですべての手続きができるので店舗へ行く必要がありません。一般的には住宅ローンの申し込み・借入の手続きには、ローンの相談・書類の提出・契約手続きなど、何度も銀行に行きます。安全性については、預金保険機構の保護対象であり、都市銀行と同等の安全性があります。
Q2: 変動金利と固定金利、どちらを選ぶべき?
A: 仮に金利が上昇したとしても、変動型には5年ルール・1.25倍ルールというのがあります。これは「最初の返済から5年間は毎月の返済額が変わらない」というものと、「金利の見直しをして返済額が増えたとしても、前回の支払額の1.25倍を超えることはない」というものです。リスク許容度と金利動向への関心度で判断しましょう。
Q3: 審査に落ちた場合の対策は?
A: 地方銀行や信用金庫など、より柔軟な審査を行う金融機関を検討するか、借入希望額を下げる、頭金を増やすなどの対策が有効です。
まとめ
2025年現在、住宅ローン選びは金利の安さを重視するならネット銀行、総合的なサポートを求めるなら都市銀行、地域密着のサービスを望むなら地方銀行という選択が基本となります。
総合おすすめランキング:
1位:住信SBIネット銀行
- 金利の低さと保障の充実度のバランスが最良
- 対面相談も可能で安心感がある
2位:auじぶん銀行
- 業界最低水準の金利
- 充実した無料保障
3位:三菱UFJ銀行
- 総合的なサービスとサポート体制
- 全国どこでも相談可能
重要なのは、あなたのライフスタイルや価値観に合った選択をすることです。金利だけでなく、サービス内容、サポート体制、将来の金利動向なども含めて総合的に判断し、長期間安心して返済できる住宅ローンを選びましょう。
住宅ローンは人生最大の借入れです。複数の金融機関で仮審査を受け、条件を比較検討することをおすすめします。また、専門家への相談も検討し、後悔のない選択をしてください。