
「定年までにあと5年。住宅ローンは完済できるのだろうか...」
50代のあなたが抱えるこの不安は、決して小さなものではありません。定年後は年金生活となり、収入が大幅に減るため、住宅ローンが残っていると、老後の生活が一気に苦しくなるからです。
実は、50代は住宅ローン完済に向けて「最後の、そして最も重要な判断をすべきタイミング」です。ここで正しい戦略を取れば、定年前の完済は十分に可能です。しかし、間違った判断をすると、老後破綻のリスクが一気に高まります。
この記事では、50代が定年前に住宅ローンを完済するための「返済期間短縮」と「金利見直し」の二重戦略を、具体的なシミュレーションとともに解説します。あなたの状況に合った最適な選択肢が、きっと見つかるはずです。
なぜ50代は「定年前完済」を目指すべきなのか

まず、定年前に住宅ローンを完済すべき理由を数字で理解しましょう。
定年後の収入激減が家計を直撃する現実
定年を迎えると、収入は現役時代の50〜70%程度に減少します。この状態で住宅ローンを払い続けるのは、極めて厳しいのです。
| 項目 | 現役時代(50代) | 定年後(65歳以降) |
|---|---|---|
| 収入 | 月40〜50万円 | 月20〜30万円 (年金のみ) |
| 住宅ローン | 月10万円 (収入の20〜25%) |
月10万円 (収入の33〜50%) |
| 生活費 | 月25万円 | 月22万円 |
| 貯蓄 | 月5〜15万円可能 | 毎月赤字 (貯蓄を取り崩す) |
- 年金収入の3〜5割がローン返済に消える
- 生活費が足りず、毎月貯蓄を取り崩す生活に
- 医療費や介護費用が必要になったとき、対応できない
- 最悪の場合、老後破綻のリスク→ だからこそ、定年前の完済が必須なのです
50代は「完済に向けた最後のチャンス」
50代は、住宅ローン完済に向けて実行できる最後の時期です。60代になると、選択肢が限られてしまいます。
- 50代前半(50〜54歳): まだ10〜15年の返済期間があり、戦略の選択肢が多い
- 50代後半(55〜59歳): 定年まで5〜10年。今すぐ行動しないと間に合わない
- 60代: 再雇用で収入が減り、借り換えの審査も厳しい。選択肢がほぼない
50代の今が、人生最後の「住宅ローン完済戦略」を立てるタイミングなのです。
退職金を使えば完済できるが、それは危険
「退職金で一括返済すればいい」と考える方も多いでしょう。しかし、これは非常にリスクの高い選択です。
- 老後資金が一気に減る(2,000万円の退職金が半分以下に)
- 医療費・介護費用・住宅修繕費などの不測の出費に対応できない
- インフレで生活費が上がったとき、貯蓄が足りなくなる→ 退職金はできるだけ残し、定年前に通常の返済で完済するのが理想
そのためには、今から計画的に返済を加速する必要があるのです。
定年前完済のための「二重戦略」とは

定年前に住宅ローンを完済するには、2つのアプローチを組み合わせることが最も効果的です。
戦略①:返済期間短縮(繰上返済または借り換えで期間短縮)
まず、完済時期を前倒しする戦略です。方法は2つあります。
方法A:繰上返済(期間短縮型)
- まとまった資金を一時金として返済
- 元本が減り、返済期間が短縮される
- 利息の総額も削減される
方法B:借り換えで返済期間を短縮
- 低金利の銀行に借り換える際、返済期間を短く設定
- 金利削減+期間短縮のダブル効果
- 月々の返済額は増えるが、総返済額は大幅減
戦略②:金利見直し(低金利への借り換え)
次に、利息負担を削減する戦略です。
- 現在の金利より低い金利の銀行に借り換え
- 月々の返済額が減るため、その分を繰上返済に回せる
- または、返済期間を短縮しても、月々の負担を増やさずに済む
二重戦略の具体例:最も効果が高い組み合わせ
【最強パターン】低金利への借り換え+返済期間短縮
現状:
- 残債:2,000万円
- 金利:1.5%
- 残存期間:15年
- 月々の返済:約12.9万円
- 完済時:70歳
二重戦略実行後:
- 新金利:0.4%(借り換え)
- 返済期間:10年に短縮(定年の60歳で完済)
- 月々の返済:約17.0万円
効果:
- 完済が10年早まる(70歳→60歳)
- 総返済額:約2,322万円→約2,040万円
- 約282万円の利息削減
- 月々の負担増:約4万円(この負担を現役時代に集中させることで、老後を楽にする)
このように、借り換えと期間短縮を組み合わせることで、定年前完済と利息削減を同時に実現できます。
【重要判断】繰上返済すべきか、借り換えすべきか

50代の多くが悩むのが、「繰上返済」と「借り換え」のどちらを優先すべきかです。判断フローで最適な選択肢を見つけましょう。
判断フロー:あなたに最適な戦略を見つける
【ステップ1】現在の金利は何%?
→ 1.0%以上
→ まず借り換えを検討(大幅な金利削減が可能)
→ 1.0%未満
→ ステップ2へ
【ステップ2】手元資金(貯蓄)はいくらある?
→ 1,000万円以上
→ 繰上返済を検討(ただし老後資金は確保)
→ 500〜1,000万円
→ 借り換え+少額の繰上返済を組み合わせる
→ 500万円未満
→ 借り換えで月々の負担を減らし、その分を貯蓄に回す
【ステップ3】定年まで何年?
→ 10年以上
→ 借り換えで返済期間を10年に短縮(月々の負担増は許容範囲)
→ 5〜10年
→ 借り換え+積極的な繰上返済のダブル戦略
→ 5年未満
→ 繰上返済を最優先(借り換えの効果が薄い)
ケース別:最適な戦略
ケース①:50代前半、金利1.5%、残債2,500万円、手元資金800万円
最適戦略:借り換え+繰上返済の組み合わせ
①まず低金利(0.4%)に借り換え、返済期間を12年に短縮
②手元資金から300万円を繰上返済に使う(老後資金500万円は確保)
③月々の返済額は増えるが、定年前に完済できる
効果:
- 完済時期:70歳→58歳(12年短縮)
- 総返済額:約500万円削減
- 老後資金もしっかり確保
ケース②:50代後半、金利0.8%、残債1,500万円、手元資金300万円
最適戦略:借り換え(金利見直しのみ)
①金利0.3%に借り換え、返済期間を7年に短縮
②手元資金は老後資金として温存(繰上返済には使わない)
③月々の返済額を増やして、定年前に完済
効果:
- 完済時期:65歳→62歳(定年前に完済)
- 総返済額:約80万円削減
- 老後資金300万円を確保
ケース③:50代後半、金利1.8%、残債2,000万円、手元資金200万円
最適戦略:借り換え+ボーナス活用
①金利0.4%に借り換え、返済期間を8年に短縮
②ボーナス時に年2回、各50万円ずつ繰上返済
③手元資金200万円は緊急用として温存
効果:
- 完済時期:68歳→60歳(定年時に完済)
- 総返済額:約300万円削減
- 緊急資金も確保
50代の借り換え・繰上返済で注意すべき5つのポイント

50代は、他の年代とは異なる特有の注意点があります。
注意点①:老後資金は最低1,000万円は確保する
繰上返済に夢中になるあまり、老後資金を使い切ってしまう失敗が多いです。
- 最低限:1,000万円(夫婦で年金生活する場合)
- 余裕を持つなら:2,000万円
- 持ち家の修繕費:500万円(別枠で確保)→ これ以上は繰上返済に回さないのが鉄則
住宅ローンを完済しても、老後資金がゼロでは意味がありません。バランスが重要です。
注意点②:退職金を当てにした返済計画は危険
「退職金で一括返済すればいい」という計画は、リスクが高すぎます。
- 退職金が想定より少ない可能性(業績悪化、早期退職など)
- 退職金を使い切ると、老後資金がゼロに
- 医療費・介護費用などの不測の出費に対応できない
理想は、退職金を使わずに定年前に完済することです。退職金は老後資金として温存しましょう。
注意点③:50代後半は借り換え審査が厳しくなる
55歳を超えると、借り換えの審査が厳しくなります。
- 定年が近いため、完済能力を疑われる
- 健康状態が悪いと、団体信用生命保険に加入できない
- 再雇用後の収入減を懸念される
だからこそ、50代前半〜中盤のうちに借り換えを実行することが重要です。
注意点④:返済期間を短縮しすぎて、月々の負担が重くなる
定年前に完済したい一心で、返済期間を5年に短縮。しかし、月々の返済額が30万円に跳ね上がり、生活費が足りなくなった。教育費も重なり、家計が破綻寸前に。
回避方法:
返済期間は、月々の家計に無理のない範囲で設定しましょう。目安は、返済額が手取り収入の25%以内です。モゲチェックで複数パターンをシミュレーションし、最適なバランスを見つけてください。
注意点⑤:固定金利から変動金利への借り換えはリスクあり
50代の場合、金利上昇リスクを慎重に考える必要があります。
- 変動金利は低い(0.3〜0.5%)が、将来上昇する可能性がある
- 50代は収入増が見込めないため、金利上昇時の負担増に対応しにくい
- 残り10年以内なら、固定金利(1.0〜1.5%)の方が安心
リスクを取りたくないなら、固定金利での借り換えも検討しましょう。
モゲチェックで「定年前完済」のシミュレーションを見える化
50代の住宅ローン完済は、複雑な判断の連続です。「繰上返済すべきか」「借り換えすべきか」「返済期間をどう設定するか」――これらを自分だけで判断するのは困難です。
そこで活用したいのが、モゲチェックです。
モゲチェックが50代に最適な3つの理由

理由①:定年までの逆算シミュレーションができる
- 複数の返済期間パターンを比較できる
- 「定年前完済」が現実的かどうか、一目で分かる→ 50代の「あと何年で完済できるか」という最重要課題に直接答える
理由②:低金利の銀行を一括比較できる
50代の借り換えは、審査に通る銀行と低金利の銀行を両立させる必要があります。モゲチェックなら、あなたの年齢・年収で審査に通りやすい銀行の中から、最も低金利の選択肢を提案してくれます。
理由③:老後資金とのバランスを考慮したアドバイス
モゲチェックは、住宅ローンだけでなく、老後資金も含めた総合的なアドバイスをしてくれます。「繰上返済に〇〇万円使うと、老後資金が不足する」といったリスクも教えてくれるため、安心して判断できます。

よくある質問Q&A
まとめ:50代の今、定年前完済への最後の一歩を踏み出そう
50代は、住宅ローン完済に向けた最後の、そして最も重要な判断をすべきタイミングです。ここで正しい戦略を取れば、定年前の完済は十分に可能です。
この記事の要点をまとめます。
- 定年前完済は必須: 定年後は収入が半減し、ローンがあると老後破綻のリスク
- 二重戦略が最強: 借り換えで金利削減+返済期間短縮のダブル効果
- 老後資金は最低1,000万円確保: 繰上返済に夢中になりすぎない
- 50代前半〜中盤が最適: 後半になると審査が厳しくなる
- モゲチェックで最適プラン: 定年までの逆算シミュレーション+低金利の銀行を一括比較
食費や光熱費を節約しても、年間で数万円の効果です。しかし、住宅ローンの借り換えなら、総額で200〜500万円の削減も可能です。この差は、あなたの老後を大きく変える金額です。
まずはモゲチェックで無料診断を受けてみましょう。5分の入力で、「定年前に完済できるか」「いくら削減できるか」が分かります。診断だけなら無料ですし、診断結果を見てから借り換えするかどうか決められます。50代の今が、老後の安心を手に入れる最後のチャンスです。



