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親が亡くなり実家を相続…住宅ローン返済中でも住み替えできる?査定から売却までの全手順

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PR 2026年4月13日 最終更新

親が亡くなって実家を相続した──けれど、自分には今の住宅ローンがまだ残っている。実家をどうすればいいのか、住み替えはできるのか、放置したらどうなるのか。頭の中がまとまらないまま時間だけが過ぎていく…。

そうした状況は、実はまったく珍しくありません。自分の住宅ローンを返済しながら、相続した実家の処分を同時に考えなければならないというのは、多くの方が直面する「複合的な悩み」です。

この記事では、住宅ローン返済中に実家を相続したときの選択肢を整理し、「売る」と決めた場合の相続登記から査定・売却・税金対策までの手順を、具体的な流れに沿って解説します。放置した場合のリスクや、よくある失敗パターンも取り上げますので、今の状況を客観的に見つめ直す材料にしてください。

住宅ローン返済中に実家を相続したら──まず知っておくべき前提

最初に、多くの方が不安に感じるポイントを整理しておきます。

まず、自分の住宅ローンの返済中であっても、相続した実家を売却すること自体に問題はありません。自分の住宅ローンは「自分が住んでいる家」を担保にしたものであり、相続した実家は別の不動産です。実家の売却によって自分のローンに影響が出ることは、原則としてありません。

一方で、相続した実家に「親の住宅ローン」が残っているケースもあります。この場合は団体信用生命保険(団信)の加入状況を真っ先に確認する必要があります。団信に加入していれば、親の死亡によりローン残債は保険金で完済されます。加入していない場合は、相続人がローンの返済義務を引き継ぐことになるため、対応が大きく変わります。

整理すべき2つの「住宅ローン」

自分の住宅ローン:今住んでいる家のローン。実家の売却には直接影響しないが、住み替えを検討する場合は残債が論点になる。

親の住宅ローン(実家の残債):団信で完済されるか、相続人が引き継ぐかで手順が変わる。まず金融機関に連絡して確認が必要。

相続した実家の選択肢は3つ──それぞれのメリット・デメリット

相続した実家をどうするか。選択肢は大きく分けて「売る」「貸す」「そのまま持ち続ける」の3つです。住宅ローン返済中の方にとってどの選択肢が合理的かは、家庭の状況によって異なりますが、それぞれの特徴を押さえておくと判断しやすくなります。

選択肢①:売却する

相続した実家を売却して現金化する方法です。住宅ローン返済中の方にとっては、売却代金で自分のローンの繰り上げ返済に充てることもできますし、教育資金や老後資金として確保することもできます。固定資産税や管理費の負担もなくなるため、経済的な負担を最も軽くできる選択肢です。

また、相続した実家の売却には「空き家の3,000万円特別控除」や「相続税の取得費加算の特例」といった税制上の優遇措置が用意されていますが、いずれも期限付きのため、売却のタイミングが重要になります(詳しくは後述します)。

選択肢②:賃貸に出す

実家を賃貸物件として貸し出し、家賃収入を得る方法です。立地が良い場合はまとまった収入になる可能性があります。ただし、築年数が古い実家はリフォーム費用がかさむケースが多く、入居者の募集・管理・修繕の手間も発生します。加えて、賃貸に出すと「空き家の3,000万円特別控除」の要件を満たさなくなるため、後から売却する場合の税制メリットが失われる点に注意が必要です。

選択肢③:空き家のまま保有する

「まだ決められない」「思い出のある家を手放したくない」という気持ちから、とりあえず空き家のまま持ち続けるケースです。気持ちは理解できますが、経済面・法律面のリスクが大きい選択肢であることは認識しておくべきです。固定資産税・維持管理費の負担が毎年続くだけでなく、2023年12月の改正空家対策特別措置法により「管理不全空家」に指定されると固定資産税の住宅用地特例が解除され、税額が最大6倍になる可能性があります。

選択肢 主なメリット 主なデメリット・リスク 住宅ローン返済中の方への適性
売却する 現金化でき、維持負担ゼロ。税制優遇の活用可能 売却まで数ヶ月〜1年かかることも。売れにくい立地だと時間がかかる ◎ 経済的負担の軽減効果が最も大きい
賃貸に出す 家賃収入が得られる。資産を保有し続けられる リフォーム費・管理コストが発生。空室リスク。3,000万円控除が使えなくなる ○ 立地が良く、資金的余裕がある場合に検討
空き家のまま保有 すぐに判断しなくてよい 固定資産税・管理費の負担が継続。管理不全空家指定のリスク。税制優遇の期限切れ △ 住宅ローンとの二重負担になりやすい

住宅ローンを返済中の方にとっては、自分のローンの返済に加えて実家の固定資産税や管理費まで毎年支払い続けるのは家計への負担が大きくなります。特に判断を先延ばしにしがちな方は、次のセクションで売却の手順を確認してみてください。

実家に親の住宅ローンが残っている場合の確認手順

相続した実家に親の住宅ローンが残っている場合、まず確認すべきは団体信用生命保険(団信)の有無です。ここを起点に、その後の手順が分岐します。

団信に加入していた場合

親がローン契約時に団信に加入していれば、死亡によりローン残債は保険金で完済されます。相続人が金融機関に死亡の事実を連絡し、保険金の請求手続きを行うことで、抵当権の抹消が可能になります。この場合、実家のローンは実質ゼロになるため、通常の相続不動産として売却手続きに進めます。

団信に加入していなかった場合

団信未加入の場合、ローン残債は「負の遺産」として相続人が引き継ぎます。この場合の選択肢は大きく3つです。

第一に、実家を売却して売却代金でローンを一括返済する方法。売却代金がローン残高を上回る(アンダーローン)なら、差額が手元に残ります。第二に、売却代金がローン残高に満たない(オーバーローン)場合は、不足分を自己資金で補填するか、金融機関と任意売却の交渉を行います。第三に、相続放棄を選択する方法。ただし相続放棄は「相続を知った時から3ヶ月以内」の申述が必要で、実家以外のプラスの遺産も含めて全て放棄することになります。

相続放棄の期限は3ヶ月──「とりあえず相続してから考える」は要注意

相続放棄の申述期限は、自己のために相続の開始があったことを知った時から3ヶ月以内です。「とりあえず実家を相続してから売れるかどうか考えよう」と思っているうちに期限が過ぎると、ローンを含めた全ての遺産を引き継ぐことになります。実家にローンが残っていることが分かった場合は、早急に司法書士や弁護士に相談してください。

関連記事:相続トラブル中の資金調達──知っておくべき選択肢

住宅ローン返済中に「相続した実家を売る」全手順

ここからは、自分の住宅ローンを返済中の方が、相続した実家を売却するときの具体的な手順を解説します。自分の住宅ローンには直接影響しませんが、税制優遇の期限や相続登記の義務化など、見落とすと損をするポイントがあるため、流れを把握しておきましょう。

STEP 1

遺産分割協議で実家の取得者を確定する

相続人が複数いる場合は、まず誰が実家を相続するかを遺産分割協議で決めます。遺言書がある場合はその内容に従います。協議がまとまったら「遺産分割協議書」を作成し、全員の署名・実印・印鑑証明を揃えます。

STEP 2

相続登記を行う(義務化・期限あり)

2024年4月1日から相続登記が義務化されました。不動産を取得したことを知った日から3年以内に登記しなければ、正当な理由がない場合は10万円以下の過料が科される可能性があります。相続登記が完了しないと売却活動はできないため、早めに司法書士に依頼しましょう。費用の目安は、司法書士への報酬が5万円〜10万円程度、登録免許税(不動産評価額の0.4%)が別途かかります。

STEP 3

実家の査定を依頼する

売却を進めるにあたって、まず実家がいくらで売れそうかを把握します。不動産会社に査定を依頼する方法は「机上査定(簡易査定)」と「訪問査定」の2種類。最初は複数社に机上査定を依頼し、相場観をつかんでから訪問査定に進むのが一般的です。1社だけの査定額で判断すると、数百万円の差が出ることもあるため、最低でも3社以上の比較をおすすめします。

STEP 4

不動産会社と媒介契約を結ぶ

査定結果と担当者の対応を比較したうえで、信頼できる不動産会社と媒介契約を結びます。媒介契約には「一般媒介」「専任媒介」「専属専任媒介」の3種類があり、それぞれレインズ(不動産流通機構)への登録義務や報告頻度が異なります。相続物件の場合、地元の事情に強い会社と大手の両方に査定を出し、対応力で選ぶのがポイントです。

STEP 5

売却活動〜買主との交渉・契約

販売活動が始まると、内覧対応や価格交渉が進みます。相続物件は室内に残置物がある場合も多く、片付けや清掃をどこまでやるか(費用負担も含めて)を事前に不動産会社と相談しておきましょう。買主が見つかったら売買契約を締結し、手付金を受け取ります。

STEP 6

決済・引渡し・抵当権抹消

残代金の受取と同時に所有権移転登記を行います。実家に親の住宅ローンの抵当権が残っている場合(団信で完済済みだが抹消手続きが未了のケースも含む)は、この決済日に抵当権抹消登記も同時に行います。

STEP 7

確定申告(翌年2月16日〜3月15日)

不動産を売却して利益(譲渡所得)が出た場合、翌年に確定申告が必要です。後述する「空き家の3,000万円特別控除」や「取得費加算の特例」を使う場合も確定申告が適用条件となります。

実家に住み替えたい場合──住み替えローンの選択肢と注意点

「相続した実家にリフォームして住み替えたい」「実家を売って別の場所に住み替えたい」というケースでは、今住んでいる自宅の売却と住み替え先の購入を同時に進める必要があります。ここで問題になるのが、今の住宅ローンの残債です。

自宅の売却代金でローンを完済できる場合(アンダーローン)

今住んでいる自宅の査定額が住宅ローンの残債を上回っている場合、売却代金でローンを一括返済できます。この場合は通常の「売り先行」の住み替えが可能です。自宅を売却→ローン完済→新居を購入、という流れになります。

売却代金ではローンを完済できない場合(オーバーローン)

査定額がローン残債に届かない場合、不足分を自己資金で補填するか、「住み替えローン(買い替えローン)」の利用を検討します。住み替えローンとは、現在のローンの残債と新居の購入資金をまとめて1本のローンにする仕組みです。

住み替えローンの注意点

住み替えローンは便利な仕組みですが、以下のリスクを理解したうえで利用する必要があります。

第一に、借入額が新居の担保評価額を超える「オーバーローン状態」からスタートするため、審査が通常の住宅ローンより厳しくなります。年収に対する返済比率が高くなるため、十分な収入や信用情報が求められます。

第二に、売却と購入の決済日を同日に合わせる必要があるケースが多く、スケジュール調整の難易度が高い点です。売却が予定通りに進まないと、住み替え計画全体が崩れるリスクがあります。

第三に、オーバーローンの状態で住み替えると、将来さらに住み替えが必要になった場合にも同じ問題が発生しやすくなります。無理のない返済計画かどうか、慎重に判断しましょう。

関連記事:住み替えローンとダブルローンの違い──どちらを選ぶべきか

関連記事:ローン残債ありで家を売る方法

税金を最小化する売却タイミング──2つの特例を押さえる

相続した実家を売却する際に、知っておくべき税制上の特例が2つあります。どちらも「期限内に売却すること」が条件であり、放置すればするほど使えなくなるリスクがある点に注意してください。

特例①:空き家の3,000万円特別控除

相続した実家を売却した場合に、譲渡所得から最大3,000万円を控除できる特例です。適用期限は2027年(令和9年)12月31日までの譲渡に延長されています。主な要件は以下の通りです。

  • 被相続人(親)が亡くなる直前まで、その実家に一人で住んでいたこと(老人ホーム入居でも一定の要件を満たせば可)
  • 昭和56年(1981年)5月31日以前に建築された一戸建て住宅であること(マンションは対象外)
  • 相続の開始があった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却すること
  • 売却代金が1億円以下であること
  • 相続から売却までの間に、居住・賃貸・事業用として使用していないこと
  • 売却時に、家屋を解体するか、耐震リフォームを行うか、または買主が引渡し後に解体・耐震改修すること(2024年1月以降の譲渡から買主による解体等も可)

なお、相続人が3人以上の場合は控除額が1人あたり2,000万円に縮小されます(2024年1月以降の譲渡に適用)。

特例②:相続税の取得費加算

相続税を支払った人が、相続した不動産を一定期間内に売却した場合、支払った相続税の一部を譲渡所得の計算上「取得費」に加算できる特例です。加算できる金額は、その不動産に対応する相続税額です。この特例の期限は相続開始の翌日から3年10ヶ月以内の譲渡です。相続税の申告期限(死亡から10ヶ月)の翌日から3年を経過する日まで、という計算になります。

2つの特例の併用はできない

空き家の3,000万円特別控除と取得費加算の特例は、同じ不動産に対して併用することはできません。どちらを使ったほうが手残り額が大きくなるかは、売却価格・取得費・相続税額によって異なります。具体的な計算は税理士に相談して判断してください。

売却タイミングの整理

特例 期限 ポイント
空き家の3,000万円特別控除 相続開始日から3年を経過する年の12月31日まで(制度全体は2027年12月31日まで) 賃貸に出すと要件を満たさなくなる。早めの売却活動が安全
取得費加算の特例 相続開始の翌日から3年10ヶ月以内 相続税を支払った人のみ対象。相続税がゼロなら使えない

どちらの特例も「いつまでに売却するか」が分かれ目になります。相続から時間が経つほど選択肢が狭まるため、売るかどうか迷っている段階でも、まず査定だけは早めに取っておくことが合理的です。

実家を放置するリスク──固定資産税6倍・特定空き家指定

「今は忙しいから」「まだ気持ちの整理がつかないから」と実家を空き家のまま放置する方は少なくありません。しかし、法改正により空き家の放置リスクは年々高まっています。

管理不全空家・特定空家に指定されると何が起こるか

2023年12月に施行された改正空家対策特別措置法により、空き家は「特定空家」だけでなく「管理不全空家」にも指定される可能性が生まれました。管理不全空家とは、放置すれば特定空家になるおそれがある状態の空き家を指します。

いずれのカテゴリーでも、市区町村から「勧告」を受けると住宅用地の固定資産税特例(税額を最大6分の1に軽減する措置)が解除されます。つまり、固定資産税が最大で約6倍に跳ね上がる可能性があるのです。

さらに特定空家に指定され、改善命令にも従わない場合は、行政代執行により強制的に解体され、その費用を所有者に請求されるケースもあります。

実家が遠方にある場合のリスク

自分の生活拠点から実家が離れている場合、定期的な管理(換気・通水・除草・郵便物の回収など)に交通費と時間がかかります。管理を外部に委託する場合の費用は月額5,000円〜1万円程度が目安ですが、築年数が古い家は突発的な修繕が発生しやすく、想定以上のコストになることもあります。

「とりあえず空き家」が最もコスト高になるケース

住宅ローンを返済しながら、実家の固定資産税(年10万円〜20万円程度)+管理費(年6万円〜12万円程度)+突発的な修繕費を5年間払い続けると、合計100万円以上の持ち出しになることもあります。さらに、建物の老朽化が進めば資産価値は下がり、将来売却する際の価格も低くなります。「放置コスト」は目に見えにくいからこそ、一度数字で整理してみることをおすすめします。

【判断フロー】相続した実家、あなたはどうすべき?

ここまでの情報を踏まえ、住宅ローン返済中の方が相続した実家をどうすべきかの判断フローを整理します。

Q1

相続した実家に親の住宅ローンが残っているか?
→ 残っている場合:団信の確認へ。団信なしでオーバーローンなら相続放棄(3ヶ月以内)も視野に。
→ 残っていない場合(団信で完済含む):Q2へ。

Q2

実家に住む予定があるか?
→ ある場合:今の自宅を売却→住み替えの検討へ。アンダーローンかオーバーローンかで進め方が分岐。
→ ない場合:Q3へ。

Q3

実家を賃貸に出せる立地・状態か?
→ 立地が良く、リフォーム費が回収できる見込みがある場合:賃貸を検討。ただし3,000万円控除が使えなくなる点を了承のうえで。
→ 立地が悪い・築古でリフォーム費が大きい場合:売却が合理的。Q4へ。

Q4

まず査定を取ったか?
→ まだ:複数社に査定を依頼し、相場を把握するところから始めましょう。売るかどうかの判断は、査定額を見てからでも遅くありません。
→ 取った:査定額と税制優遇の期限を踏まえ、売却のタイミングを決めて媒介契約へ。

よくある失敗パターン3選

失敗①:相続登記を後回しにして売却タイミングを逃す

相続登記は義務化されたとはいえ、期限が3年あるため「急がなくていい」と考える方がいます。しかし、登記が完了していなければ売却活動すら始められません。遺産分割協議が長引くケースも含め、登記完了までに半年〜1年かかることもあるため、結果的に3,000万円控除や取得費加算の期限に間に合わなくなる失敗例が後を絶ちません。

失敗②:1社だけの査定で売却価格を決める

「知り合いに紹介された不動産会社1社に任せた」というケースでは、査定額の妥当性を検証できず、本来より数百万円安く売ってしまう可能性があります。相続物件は売主の知識が少ないことが多いため、不動産会社の「囲い込み」にも注意が必要です。必ず複数社の査定を比較してください。

失敗③:「売れないだろう」と決めつけて放置する

地方の築古物件で「こんな家、買う人がいるわけがない」と思い込み、査定すら出さないまま放置する方がいます。確かに売却に時間がかかるケースはありますが、解体して更地にする、隣地の所有者に声をかけるなど、方法はゼロではありません。また、固定資産税の負担と管理不全空家リスクを考えれば、「売れにくくても売る努力をした方が、トータルでは損が少ない」というケースは多いのです。

関連記事:売り先行と買い先行──住宅ローンが残っている場合の判断軸

よくある質問(FAQ)

Q. 自分の住宅ローンが残っていると、相続した実家の売却に影響しますか?

A. 原則として影響しません。自分の住宅ローンは自宅を担保にしたものであり、相続した実家は別の不動産です。実家の売却手続きに自分のローンの残債は関係しません。ただし、実家を売却した資金を自分のローンの繰り上げ返済に充てる場合は、金融機関に手続き方法を確認してください。

Q. 相続した実家の売却にかかる費用はどのくらいですか?

A. 主な費用として、仲介手数料(売却価格の3%+6万円+消費税が上限)、相続登記の費用(司法書士報酬5万円〜10万円程度+登録免許税)、印紙税、測量費用(必要な場合)、残置物の撤去費用などがかかります。また、譲渡所得が出た場合は翌年に所得税・住民税が発生します。ただし、3,000万円特別控除や取得費加算が適用できれば税額を大きく軽減できる可能性があります。

Q. 兄弟で実家を共有相続した場合、売却はどう進めますか?

A. 共有名義の不動産を売却するには、共有者全員の同意が必要です。兄弟間で「売るか売らないか」「売却価格」「費用の分担」について合意が取れないと売却は進みません。共有状態のまま放置すると管理責任が曖昧になりやすいため、できるだけ早い段階で方向性を話し合うことが大切です。合意が難しい場合は、共有物分割請求という法的手続きもありますが、関係がこじれる前に専門家(弁護士・司法書士)を入れて協議することをおすすめします。

Q. 実家が遠方にあり、内覧の立ち会いが難しいのですが?

A. 相続物件の売却では、不動産会社に鍵を預けて内覧対応を任せるケースが一般的です。売主が遠方に住んでいることは珍しくないため、対応に慣れた不動産会社であれば問題なく進められます。契約書への署名・捺印も郵送対応が可能なケースが多いですが、事前に確認しておきましょう。

Q. 相続放棄をしたら、実家の管理義務はなくなりますか?

A. 2023年4月施行の改正民法により、相続放棄をした場合でも、放棄時点で「現に占有している」相続財産については、次の管理者(他の相続人や相続財産清算人)に引き渡すまで管理義務が残ります。「相続放棄すれば一切関係なくなる」というわけではない点に注意が必要です。詳しくは弁護士に確認してください。

まとめ

住宅ローンを返済しながら相続した実家に向き合うのは、経済的にも精神的にも負担の大きいことです。しかし、先延ばしにするほど税制優遇の期限が迫り、空き家の放置コストがかさみ、選択肢が狭まっていくのも事実です。

この記事のポイントを3つに絞ると、以下の通りです。

①自分の住宅ローンと実家の売却は別問題
自分のローンが残っていても、相続した実家の売却には原則影響しません。まずこの点を理解するだけで、気持ちに少し余裕が生まれるはずです。

②税制優遇には期限がある
空き家の3,000万円特別控除は相続から3年後の年末まで、取得費加算の特例は相続から3年10ヶ月以内。売るかどうか迷っている段階でも、査定だけは早めに取りましょう。

③「放置」が最もコスト高になる可能性がある
固定資産税・管理費・修繕費の積み重ねに加え、管理不全空家指定のリスクまで考えると、「とりあえず空き家」は経済合理性が最も低い選択肢になりやすいといえます。

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著者情報

マイホーム購入・住宅ローン審査ナビ編集部
住宅ローンアドバイザー資格保有者を含む編集チームが、住宅購入・売却・相続にまつわる情報を専門的かつわかりやすく発信しています。記事内の法制度・税制情報は、国税庁・法務局・国土交通省等の公的資料に基づき作成しています。

免責事項

本記事は2026年4月時点の公開情報に基づく一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の法律相談・税務相談・不動産取引上の助言を行うものではありません。相続・税金・不動産売却の手続きは個別の事情により判断が異なります。実際のお手続きにあたっては、弁護士・司法書士・税理士・不動産会社等の専門家にご相談ください。記事内の税制・法令情報は執筆時点のものであり、今後の法改正等により変更される可能性があります。最新情報は各省庁・自治体の公式サイトをご確認ください。

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