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住宅ローン控除と3,000万円特別控除は併用できない!住み替えで損しない選び方【シミュレーション付き】

※本記事にはプロモーション(広告)が含まれます

最終更新日:2026年4月12日

「マイホームを売って新居を買う予定だけど、3,000万円特別控除と住宅ローン控除は両方使えるの?」──住み替えを考える方の多くが、最初にぶつかる疑問です。

結論から言えば、この2つの控除は原則として併用できません。どちらか一方を選ぶ必要があり、選び方を間違えると数十万〜数百万円単位で損をする可能性があります。

この記事では、国税庁の公式情報を根拠に「なぜ併用できないのか」「制限がかかる期間はいつからいつまでか」を正確に整理したうえで、3つのケース別シミュレーションで「あなたの場合はどちらが得か」を判断できるようにしています。

さらに、「譲渡損失なら住宅ローン控除と併用できる」という見落としがちなパターンや、売却タイミングの工夫で両方を活かす方法まで解説します。

【結論】3,000万円特別控除と住宅ローン控除は「併用不可」が原則

まず、最も大切な結論を整理します。

併用不可のルール

居住用財産の3,000万円特別控除(措法35条)の適用を受けた場合、新居に入居した年・その前2年・後3年の計6年間は住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)を受けることができません。

(出典:国税庁 No.1211-1国税庁 No.3302

つまり、「旧居を売って3,000万円控除で譲渡税をゼロにし、新居で住宅ローン控除も受ける」というダブル控除は認められていません。どちらか一方だけを選ぶ必要があります。

なぜこのルールがあるのかというと、3,000万円特別控除は「売った人」への優遇、住宅ローン控除は「買った人」への優遇であり、住み替えで両方を同時に享受すると過剰な優遇になるためです。税制上のバランスを保つ目的で、重複適用が制限されています。

併用不可になる「6年間」の制限期間を正しく理解する

制限がかかる期間は、新居への入居年を基準に「前2年+その年+後3年」の計6年間です。具体的にどの年の譲渡が影響するかをまとめます。

新居の入居年 3,000万円控除が制限される譲渡年の範囲
2026年に入居 2024年〜2029年に旧居を売却して3,000万円控除を使った場合、住宅ローン控除は不可
2027年に入居 2025年〜2030年に旧居を売却して3,000万円控除を使った場合、住宅ローン控除は不可

よくある誤解に注意

「入居した年の前後2年間だけ」と勘違いする方がいますが、正しくは入居年+前2年+後3年の合計6年間です(令和2年4月1日以降の譲渡の場合)。それ以前の譲渡は前後2年の計5年間でしたが、現行法令では6年間に拡大されています。

反対に「住宅ローン控除を受けた後に3,000万円控除」は可能?

実務上、もう一つ押さえておきたいポイントがあります。

住宅ローン控除→3,000万円控除への切り替えは一定の手続きで可能

新居で住宅ローン控除の適用を受けていた後に、入居年の翌年から3年目までの間に旧居を売却して3,000万円特別控除を使う場合は、住宅ローン控除を遡って取り消すことで3,000万円控除を適用できます。ただし、過去に還付を受けた住宅ローン控除分を修正申告で返す必要があります。

逆は不可!3,000万円控除→住宅ローン控除への変更はできない

一度3,000万円特別控除の適用を受けて確定申告した場合、後から「やっぱり住宅ローン控除に変更したい」ということは原則としてできません。選択は不可逆に近いため、事前のシミュレーションが極めて重要です。

どちらが得か?判断の基本ロジック

では、住み替え時にどちらを選ぶべきなのでしょうか。判断のための基本的な考え方を整理します。

比較すべき金額は「譲渡税の軽減額」vs「住宅ローン控除の合計額」

3,000万円特別控除を使うことで軽減できる譲渡税の金額と、住宅ローン控除で13年間(または10年間)に受けられる控除合計額を比べて、大きい方を選ぶのが基本です。

比較項目 3,000万円特別控除 住宅ローン控除
控除の対象 旧居売却時の譲渡所得(最大3,000万円を控除) 新居の住宅ローン年末残高×0.7%(最大13年間)
節税効果 譲渡益×税率 がそのまま軽減額
(長期: 約20.315%、10年超所有: 14.21%※6,000万円以下部分)
年末残高×0.7%×控除年数
(ただし所得税+住民税の一部が上限)
メリットが大きくなる条件 譲渡益が大きい(概ね1,000万円超)場合 借入額が大きく、所得税が十分にある場合
適用の取り消し 一度適用すると住宅ローン控除への変更は不可 適用後に3,000万円控除への切り替えは可能(修正申告が必要)

判断フロー:あなたはどちらを選ぶべきか

STEP 1

旧居の譲渡益を計算する
譲渡益 = 売却価格 −(取得費 + 譲渡費用)
※取得費が不明なら売却額の5%で概算

STEP 2

譲渡益がゼロまたはマイナスか確認
→ マイナス(譲渡損失)なら、3,000万円控除を使う必要がなく、譲渡損失の損益通算+住宅ローン控除の併用が可能(後述)

STEP 3

譲渡益がプラスなら、両方の節税額を試算
A:3,000万円控除を使った場合の譲渡税の軽減額
B:住宅ローン控除の13年間合計額
→ A>Bなら3,000万円控除、A<Bなら住宅ローン控除が有利

STEP 4

差額が小さい場合は「キャッシュフロー」も考慮
3,000万円控除は売却年に一括で税負担軽減。住宅ローン控除は13年間にわたり毎年還付。手元資金の余裕度で判断が変わることも。

【ケース別シミュレーション】3パターンで徹底比較

ここからは、具体的な数字を使って「どちらが得か」をシミュレーションします。住み替えの状況によって結論が大きく変わることを実感してください。

シミュレーションの前提

以下の試算は一般的な条件に基づく概算です。実際の税額は各種控除・所得状況・自治体の住民税率等により異なります。最終判断は税理士等の専門家にご相談ください。住宅ローン控除は令和6年・7年入居の現行制度(控除率0.7%、新築認定住宅等は控除期間13年)を前提としています。

ケースA:譲渡益が大きい場合(→3,000万円控除が有利)

条件

旧居:20年前に2,500万円で購入 → 4,800万円で売却(譲渡費用150万円)
新居:省エネ基準適合住宅を4,500万円で購入、うち住宅ローン3,500万円(35年・金利1.0%・元利均等)
所有期間10年超(軽減税率14.21%適用可)

①3,000万円特別控除を選んだ場合

譲渡益

2,150万円

4,800万円 −(2,500万円 + 150万円)

3,000万円控除後の課税譲渡所得

0円

2,150万円 − 3,000万円 = ゼロ(控除枠内に収まる)

譲渡税の節税額

約305万円

2,150万円 × 14.21% ≒ 305万円を納めずに済む

3,000万円控除を使えば譲渡税は0円。控除を使わなければ約305万円の税負担が生じるため、3,000万円控除による節税効果は約305万円です。

②住宅ローン控除を選んだ場合

新居の住宅ローン残高に0.7%をかけた額が毎年の控除額になります。省エネ基準適合住宅(令和6〜7年入居)の借入限度額は3,000万円(特例対象個人は4,000万円)です。ここでは一般の場合(借入限度額3,000万円)で試算します。

住宅ローン控除 13年間合計

約240万〜260万円

年末残高3,000万円上限×0.7%×13年 ≒ 最大273万円
(実際は残高逓減+所得税額上限あり)

住宅ローン控除の13年間合計は概算で約240万〜260万円程度。一方、3,000万円控除の節税額は約305万円です。

ケースAの結論:3,000万円特別控除の方が約45万〜65万円有利

譲渡益が2,000万円を超える水準であれば、3,000万円控除を選ぶ方が税負担のトータルは小さくなる傾向があります。特に所有期間10年超で軽減税率(14.21%)を使える場合でも、譲渡益が大きければ3,000万円控除の節税インパクトが上回ります。

ケースB:譲渡益が少ない場合(→住宅ローン控除が有利)

条件

旧居:12年前に3,800万円で購入 → 3,600万円で売却(譲渡費用120万円)
新居:ZEH水準省エネ住宅を5,000万円で購入、うち住宅ローン4,000万円(35年・金利0.8%・元利均等)
子育て世帯(特例対象個人に該当)

①3,000万円特別控除を選んだ場合

譲渡益

マイナス320万円

3,600万円 −(3,800万円 + 120万円)= ▲320万円

そもそも譲渡益が出ていないため、3,000万円控除を使う必要がありません。むしろ譲渡損失が出ているので、後述する「譲渡損失の損益通算・繰越控除」が使える可能性があります。

②住宅ローン控除を選んだ場合

子育て世帯のZEH水準省エネ住宅は借入限度額が4,500万円に上乗せされます。年末残高の上限4,000万円(借入限度額内)×0.7%×13年で試算すると、合計控除額は概算で約330万〜360万円程度になります。

ケースBの結論:住宅ローン控除一択+譲渡損失の特例も活用を検討

旧居の売却で利益が出ていない場合は3,000万円控除の出番がなく、住宅ローン控除をフルに活用できます。さらに、要件を満たせば譲渡損失の損益通算・繰越控除と住宅ローン控除の「併用」が可能です(次章で詳しく解説)。

ケースC:譲渡益が中程度で判断が分かれる場合

条件

旧居:15年前に3,000万円で購入 → 3,900万円で売却(譲渡費用130万円)
新居:認定長期優良住宅を5,500万円で購入、うち住宅ローン4,500万円(35年・金利0.9%・元利均等)
子育て世帯(特例対象個人に該当)

比較結果

比較項目 3,000万円特別控除 住宅ローン控除
譲渡益 3,900万円 −(3,000万円 + 130万円)= 770万円
控除による節税額 770万円 × 14.21% ≒ 約109万円
(10年超所有の軽減税率適用)
年末残高上限4,500万円(子育て世帯の認定住宅は5,000万円上乗せ適用)×0.7%×13年
約370万〜410万円
差額 住宅ローン控除の方が約260万〜300万円有利

ケースCの結論:住宅ローン控除の方が大幅に有利

譲渡益が1,000万円以下の水準で、かつ新居のローン借入額が大きい場合は住宅ローン控除を選ぶ方がトータルの節税額が大きくなりやすいです。ただし、3,000万円控除を使わない場合は譲渡税(約109万円)の納付が必要になる点を忘れないでください。

見落とし注意!「譲渡損失」なら住宅ローン控除と併用可能

ここまで「3,000万円特別控除と住宅ローン控除は併用不可」と解説してきましたが、旧居の売却で譲渡損失(売却損)が出た場合は話が変わります

譲渡損失の2つの特例は住宅ローン控除と併用可能

以下の2つの特例は、住宅ローン控除との併用が認められています。

①マイホームを買い換えた場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例(措法41条の5)
旧居を売却して譲渡損失が発生し、一定要件を満たして新居を購入した場合に、損失を他の所得(給与等)と相殺(損益通算)し、さらに翌年以後3年間繰り越して控除できる制度。

②住宅ローンが残っているマイホームの譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例(措法41条の5の2)
旧居の住宅ローン残高が売却価格を上回る「オーバーローン」の場合に使える制度。

(出典:国税庁 No.3370国税庁 No.3390国税庁 質疑応答事例

たとえば、旧居を売って500万円の譲渡損失が出た場合、その500万円を給与所得などと損益通算して所得税・住民税を大幅に減らしつつ、新居では住宅ローン控除で毎年の所得税還付を受けるというダブルの恩恵が可能になります。

近年は不動産価格の上昇傾向が続く地域もありますが、郊外の築古マンションなど「買った時より値下がりした」というケースは珍しくありません。譲渡損失が出そうな方は、安易に3,000万円控除のことだけを考えるのではなく、損益通算の特例+住宅ローン控除の併用パターンを必ず検討してください。

利益が出る場合・損失が出る場合の使える特例まとめ

旧居の売却結果 使える特例 住宅ローン控除との併用
譲渡益が出た 3,000万円特別控除
(+10年超所有の軽減税率の特例)
不可
譲渡益が出た 特定居住用財産の買換え特例 不可
譲渡損失が出た 買い換え時の譲渡損失の損益通算・繰越控除 可能
譲渡損失が出た
(オーバーローン)
特定のマイホームの譲渡損失の損益通算・繰越控除 可能

よくある失敗パターン5選──住み替えの税制で損する人の共通点

住み替え時の税制選択で失敗する方には共通のパターンがあります。以下のケースに心当たりがないか確認してください。

失敗①:売却額だけ見て「利益が出た」と思い込む

売却価格が購入価格を上回っていても、仲介手数料・印紙代・登記費用・リフォーム費用などの「譲渡費用」や、建物の減価償却を考慮すると実際の譲渡益は思ったより小さいことがあります。正確な取得費の計算ができていないまま3,000万円控除を選ぶと、本来は住宅ローン控除の方が有利だったケースを見逃すことになります。

失敗②:3,000万円控除を先に使ってしまい、後から住宅ローン控除に変更できない

前述のとおり、3,000万円控除を確定申告で適用した後は住宅ローン控除への変更は原則不可です。「とりあえず売却年の確定申告で3,000万円控除を使っておこう」と安易に判断すると、新居での住宅ローン控除(13年間で数百万円になることも)を丸ごと失います。

失敗③:制限期間の「6年間ルール」を知らず、タイミングを逸する

新居に入居した年の翌年から3年目に旧居を売却しても、3,000万円控除を使えば住宅ローン控除が遡って取り消しになります。このルールを知らず、「入居後に売ればセーフ」と思い込んでいるケースがあります。

失敗④:譲渡損失なのに確定申告しない

譲渡損失の損益通算・繰越控除は確定申告をしなければ適用されません。「損が出たから確定申告は不要」と思い込み、数十万〜百万円超の節税機会を逃す方が少なくありません。

失敗⑤:売却査定を1社だけで済ませ、譲渡益の見積もりがズレる

旧居がいくらで売れるかの見積もりが甘いと、「3,000万円控除と住宅ローン控除のどちらが得か」の判断そのものが狂います。売却額は複数社の査定で相場観を掴むことが、税制選択の精度を上げる第一歩です。

住み替えで損しないための相談前チェックリスト

住み替えの税制選択は複雑ですが、以下のチェックリストで事前に情報を整理しておくと、税理士やFPへの相談がスムーズになります。

  • 旧居の取得費(購入時の売買契約書があるか)を確認した
  • 旧居の譲渡費用(仲介手数料・登記費用等)を把握している
  • 旧居の売却見込額を複数社の査定で確認した
  • 旧居の所有期間(売却年の1月1日時点で5年超か・10年超か)を把握した
  • 新居の住宅ローン借入予定額と金利タイプを決めている
  • 新居の住宅性能(認定住宅・ZEH・省エネ基準適合等)を確認した
  • 自分が「特例対象個人」(子育て世帯等)に該当するか確認した
  • 入居予定年と旧居の売却予定年を整理した
  • 年収と所得税額の目安を把握している

最低限「旧居の査定額」と「新居のローン条件」がわからないと比較できません

上記のうち、特に重要なのは旧居の売却見込額です。これが決まらないと、譲渡益が出るのか・損失になるのか・どの特例が使えるのかの判断ができません。まだ査定を取っていない方は、まず複数社の一括査定で相場感をつかむことから始めてください。

【補足】令和6年・7年入居の住宅ローン控除の借入限度額一覧

住み替え先の新居でどの程度の住宅ローン控除が受けられるかを正確に見積もるために、現行制度(令和6年・7年入居の場合)の借入限度額を確認しておきましょう。

住宅の区分 借入限度額(一般) 借入限度額(子育て世帯等) 控除率 控除期間
認定長期優良住宅・低炭素住宅 4,500万円 5,000万円 0.7% 13年
ZEH水準省エネ住宅 3,500万円 4,500万円 0.7% 13年
省エネ基準適合住宅 3,000万円 4,000万円 0.7% 13年
その他の住宅(省エネ基準未達) 原則適用なし
(R5年末までの建確等の経過措置:2,000万円/10年)
0.7% 10年
既存住宅(認定住宅等) 3,000万円 0.7% 10年
既存住宅(その他) 2,000万円 0.7% 10年

(出典:国税庁 No.1211-1財務省 令和7年度改正資料

「特例対象個人」とは?

令和6年・7年入居では、以下のいずれかに該当する方は借入限度額が上乗せされます(入居年の12月31日時点で判定)。

・40歳未満で配偶者がいる方
・40歳以上で40歳未満の配偶者がいる方
・19歳未満の扶養親族がいる方

住み替え検討者の多くはこの要件に該当する可能性がありますので、見落とさないようにしてください。

よくある質問(FAQ)

Q. 旧居の売却と新居の購入が同じ年でも、3,000万円控除と住宅ローン控除は併用できませんか?

できません。同じ年はもちろん、入居年の前2年・後3年を含む計6年間に3,000万円控除を使った場合、住宅ローン控除の適用はできないと定められています。

Q. 旧居を売却して3,000万円控除を使い、数年後に住宅ローン控除を受けることは可能ですか?

3,000万円控除を使った年が、新居入居年の前2年以内または後3年以内に当たらなければ可能です。具体的には、3,000万円控除を使った翌年から4年目以降に新居に入居すれば、制限期間を過ぎているため住宅ローン控除を受けられます。ただし、そのためには売却と新居購入のタイミングを数年空ける必要があるため、現実的かどうかは個別に検討が必要です。

Q. 3,000万円控除を使わなかった場合、譲渡税はいつ・いくらくらい払うことになりますか?

譲渡税は旧居を売却した年の翌年3月15日までに確定申告して納付します。税率は所有期間が5年超(長期譲渡所得)なら20.315%、5年以下(短期譲渡所得)なら39.63%です。さらに所有期間10年超のマイホームは、6,000万円以下の部分に軽減税率14.21%が適用されます。仮に譲渡益1,000万円・10年超所有なら約142万円です。

Q. 夫婦で旧居を共有名義にしていた場合、3,000万円控除はどうなりますか?

3,000万円控除は「一人あたり最大3,000万円」です。夫婦がそれぞれ持分を持ち、それぞれの確定申告で適用すれば合計6,000万円まで控除できます。ただし、どちらか一方が3,000万円控除を使うと、その方は住宅ローン控除が使えなくなります。たとえば「夫は3,000万円控除を使い、妻は住宅ローン控除を使う」といった分け方も制度上は検討可能ですが、持分割合やローン名義との関係が複雑になるため、必ず税理士に相談してください。

Q. 相続で取得した実家を売却した場合の3,000万円控除は、住宅ローン控除に影響しますか?

「被相続人の居住用財産に係る3,000万円特別控除」(いわゆる空き家特例、措法35条3項)は、住宅ローン控除の制限対象から除かれています(国税庁No.1211-1の共通要件6の注書き参照)。したがって、相続した空き家を売却してこの特例を使っても、新居の住宅ローン控除は受けられます。ただし、自分が居住していた実家を「通常の3,000万円控除(措法35条1項)」で申告した場合は制限対象になるため、どちらの特例で申告するかが重要です。

まとめ:住み替えの税制選択は「査定額の把握」から始まる

この記事のポイント

・3,000万円特別控除と住宅ローン控除は原則併用不可。入居年の前2年〜後3年の6年間が制限期間。

・どちらが得かは「譲渡税の軽減額」vs「住宅ローン控除の13年間合計額」で比較。

・譲渡益が大きい場合(目安1,000万円超)は3,000万円控除が有利になりやすく、譲渡益が少ない場合や新居のローン借入額が大きい場合は住宅ローン控除が有利になりやすい。

3,000万円控除を先に使うと住宅ローン控除への変更は不可。逆は可能。判断に迷うなら住宅ローン控除を先に使う方がリスクは小さい。

・旧居で譲渡損失が出た場合は、損益通算・繰越控除と住宅ローン控除の併用が可能

・正確な判断には「旧居の売却見込額」が不可欠。まだ査定を取っていない方は、複数社の査定で相場感を掴むことが第一歩。

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記事の監修・執筆について

本記事は、住宅ローンや不動産売却に関する一般的な税制情報をまとめたものです。記事内の制度内容は、国税庁タックスアンサー(No.1211-1、No.3302、No.3370、No.3390)および財務省・国土交通省の公表資料を根拠としています。

運営者:マイホーム購入・住宅ローン審査ナビ編集部

免責事項

本記事の内容は2026年4月時点で公開されている法令・制度情報に基づく一般的な情報提供を目的としており、個別の税務判断を示すものではありません。税制は改正されることがあり、適用要件の判定は個人の状況により異なります。具体的な申告・税額の判断にあたっては、必ず税理士等の専門家または所轄税務署にご相談ください。

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