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健康診断で肝機能(γ-GTP・AST/ALT)に引っかかったら団信はどうなる?再検査前に知るべき告知の知識

健康診断の結果表に「γ-GTP要再検査」「AST・ALT要経過観察」と書かれた状態で、住宅ローンの申し込みを進めようとしている方は少なくありません。再検査を受けてから申し込むべきか、今のタイミングで申し込んでしまってよいのか、判断に迷ったまま告知書を前にしている方も多いはずです。この記事では、肝機能の数値に指摘があった場合の団信告知の考え方と、再検査前後で何が変わるのかを、公的機関や業界の情報をもとに整理します。

この記事の結論

肝機能の数値(γ-GTP・AST・ALTなど)で「要再検査」「要経過観察」の指摘を受けている状態は、団信の告知書にある「健康診断で指摘を受けたことがあるか」「現在治療中の病気があるか」といった質問に関わってきます。指摘のレベルが軽度で再検査を受けていない段階と、精密検査を受けて脂肪肝などの診断が確定し経過観察中の段階では、告知の書き方も、審査で見られるポイントも変わります。再検査を先に受けてから正確な情報で告知する方が、後から告知内容を訂正する手間やリスクを避けやすいとされています。

「要再検査」のまま申し込むか、再検査後に申し込むか

住宅購入のスケジュールが決まっている中で、健康診断の「要再検査」の通知を受け取ると、再検査の予約を待つ時間すら惜しく感じる方もいます。ここで多くの人がつまずくのが、「再検査を受けていない今の時点で、要再検査だったという事実だけを告知すればいいのか」「それとも再検査を受けて結果が出るまで申し込みを待つべきか」というタイミングの問題です。

この点について明確な統一ルールがあるわけではなく、金融機関・保険会社の告知書の質問文によって扱いが異なります。告知書には「直近の健康診断で異常を指摘されたことがあるか」を問う項目と、「現在治療中かどうか」を問う項目の両方が含まれることが多く、再検査を受けていない段階では前者の項目に該当していることになります。一方で、再検査の結果によって診断が確定し、経過観察や治療が始まった場合は、後者の項目にも関わってきます。どちらの状態であっても、告知書の質問文に照らして正確に答えることが基本であり、「まだ結果が出ていないから書かなくていい」という判断は避けた方が安全です。

誤解しやすいポイント

「要再検査」は病名が確定した状態ではなく、あくまで「詳しく調べた方がよい」という段階です。そのため、告知書の「病気の治療歴」の項目だけを見て「まだ病気と診断されていないから関係ない」と判断してしまう方がいますが、多くの告知書には「健康診断で異常を指摘されたか」を独立して問う項目があります。この項目を見落として「治療中の病気なし」とだけ答えてしまうと、後から告知内容の不足を指摘される可能性があるため、健康診断の結果表そのものを確認しながら記入することが重要です。

γ-GTP・AST・ALTの数値をどう捉えるか

肝機能の検査でよく見られる項目には、AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTPがあります。健診機関によって基準値の表記に幅がありますが、一般的にASTとALTはおおむね30〜40台まで、γ-GTPは男性で50〜80程度、女性で30〜50程度までを基準値内とする機関が多く見られます。基準値は検査機関ごとに異なるため、自分の結果表に記載されている基準値と実際の数値を必ず確認することが前提になります。

γ-GTPは飲酒の影響を受けやすい項目として知られていますが、飲酒習慣がなくても脂肪肝や胆道系の異常、薬剤の影響などで上昇することがあります。ASTとALTは肝細胞の状態を反映する項目で、脂肪肝や肝炎などの背景があると数値が上昇しやすいとされています。厚生労働省のe-ヘルスネットでも、内臓脂肪の蓄積が高血糖・脂質異常・高血圧などと組み合わさることで生活習慣病のリスクが高まる点が説明されており、肝機能の数値異常もこうした生活習慣病と関連して現れることが少なくありません。

脂肪肝と診断された場合に知っておきたいこと

再検査や精密検査の結果、脂肪肝と診断されるケースもあります。脂肪肝のうち、飲酒が主な原因でないタイプは、以前はNAFLD(非アルコール性脂肪性肝疾患)と呼ばれていましたが、日本肝臓学会と日本消化器病学会による検討の結果、2024年8月に国内の呼称がMASLD(代謝機能障害関連脂肪性肝疾患)へ変更されています。呼び方が変わっても、肥満・糖尿病・脂質異常症・高血圧などの生活習慣病と関連しやすい病態であることに変わりはなく、日本消化器病学会のガイドラインでも、こうした背景疾患を伴うことが多いと説明されています。

団信の告知書では、脂肪肝そのものの診断名だけでなく、背景にある高血圧・糖尿病・脂質異常症についても別項目で問われることが多くあります。脂肪肝の診断を受けた際に、これらの生活習慣病について服薬治療を受けている場合は、それぞれの項目に正確に記入する必要があります。脂肪肝の項目だけ記入して背景疾患を書き漏らすと、告知が不十分だったと判断されるリスクがあります。

数値の程度別に見る、一般的な考え方の整理

以下は、肝機能の数値の状態を大まかに整理したものです。実際の審査結果は金融機関・保険会社・個々の背景疾患の有無によって異なり、数値だけで結果が決まるものではないことを前提に、告知内容を整理する際の目安として参考にしてください。

状態 目安となる数値の傾向 診断・治療の状況 告知で整理しておきたいこと
基準値をわずかに超えて要再検査 基準値の1〜2割程度の超過 再検査未受診、または経過観察の指示のみ 健康診断で指摘を受けた事実を、指示内容とともに正確に記入する
再検査で異常なし・生活改善で経過観察 基準値に近づいている、または安定 治療は行わず、生活習慣の見直しのみ 再検査の結果と、経過観察という指示内容を合わせて記入する
脂肪肝と診断され経過観察中 基準値を大きく超える状態が継続 診断確定、定期的な血液検査で経過を見ている 診断名、経過観察の頻度、背景疾患の有無をまとめて整理する
脂肪肝に加えて高血圧・糖尿病などを併存 複数項目で基準値超過 脂肪肝と併存疾患それぞれについて通院・服薬中 脂肪肝と併存疾患を別項目として、それぞれ正確に記入する

この整理から分かるように、数値がわずかに基準値を超えているだけの段階と、複数の生活習慣病を併存している段階では、告知書に書く内容の量も、審査で確認される観点も変わってきます。自分がどの段階に近いかを整理してから告知書に向き合うことで、記入漏れを防ぎやすくなります。

再検査を受けてから申し込む場合に準備しておきたいこと

再検査を受けた上で申し込みに進む場合、以下の情報を整理しておくと告知の記入がスムーズになります。

  • 直近の健康診断結果表(数値と基準値の両方が記載されているもの)
  • 再検査・精密検査を受けた場合はその結果と診断名
  • 医師から「経過観察」「生活改善指導」などの指示を受けた場合はその内容
  • 高血圧・糖尿病・脂質異常症など、背景疾患の診断・治療状況
  • 生活改善(飲酒量の見直し、運動習慣など)に取り組んでいる場合は、その経過が分かる記録(体重・数値の変化など)

生活改善の記録は、団信の審査を直接左右するかどうかは保険会社によって異なりますが、診断書の提出を求められた際に医師へ経過を説明する材料として役立つことがあります。数値の変化を記録しておくこと自体は、健康管理としても意味のある取り組みです。

健康診断の結果に不安を感じると、「早く申し込みを済ませてしまいたい」という気持ちが先に立つことがあります。しかし、要再検査の状態のまま曖昧な告知をしてしまうと、後から告知内容の不足が問題になるリスクがあります。可能であれば再検査を受けて状態を確定させたうえで、正確な情報をもとに告知する方が、結果的に安心して住宅ローンの手続きを進めやすくなります。住宅購入のスケジュールと再検査のタイミングをどう調整するかは、金融機関の担当者に事前に相談しておくとよいでしょう。

よくある質問

要再検査の通知を受けたばかりで、まだ再検査の予約が取れていません。この状態で告知書を出しても問題ありませんか。
告知書には「直近の健康診断で異常を指摘されたか」を問う項目があることが多く、再検査を受けていない場合でも、指摘を受けた事実自体は告知の対象になります。空欄にせず、指摘された内容と現時点で再検査を受けていないことを正確に記入することが基本です。判断に迷う場合は、申込先の金融機関に記入方法を確認することをおすすめします。
再検査を受けて「異常なし」と言われました。それでも告知は必要ですか。
健康診断で一度指摘を受けた事実がある場合、告知書の質問文によっては、その後の再検査結果とあわせて記入が必要になることがあります。「最終的に異常なしだったから記入不要」と自己判断せず、告知書の質問文に沿って、指摘を受けた経緯と再検査の結果の両方を記載しておくと安心です。
健康診断結果証明書の提出を求められることがあると聞きました。どのような場合ですか。
借入金額が一定額を超える場合や、団信の種類によっては、告知書の内容にかかわらず健康診断結果証明書の提出を求められることがあります。取扱いは金融機関・保険会社によって異なるため、借入希望額が大きい場合は、申込前に提出書類の要否を確認しておくとスムーズです。
脂肪肝の診断を受けていますが、症状は特にありません。それでも団信に入れない可能性がありますか。
脂肪肝は自覚症状が乏しいことが多い病態ですが、症状の有無よりも、数値の状態や背景にある生活習慣病の有無が審査に関わるとされています。症状がなくても診断を受けている以上は告知が必要であり、実際に一般団信が通るかどうかは金融機関・保険会社の判断によって異なります。

申し込み前に、金融機関の条件を比較しておく

肝機能の数値による指摘は、金融機関や保険会社によって審査の見え方が変わりやすいテーマです。ある金融機関では診断書の提出を求められても通過した例がある一方、別の金融機関では条件が異なる場合もあり、1社の告知書だけで結論を出してしまうと、実際にはもっと相性の良い選択肢を見逃してしまうことがあります。再検査の結果が出るタイミングと合わせて、複数の金融機関の条件を比較しておくことで、告知内容に無理のない住宅ローン選びがしやすくなります。

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まとめ

健康診断で肝機能の数値に指摘を受けた状態は、再検査を受けているかどうかにかかわらず、団信の告知に関わってくる情報です。要再検査のまま申し込む場合は指摘を受けた事実を正確に記入し、再検査や精密検査を受けた場合はその結果と診断名、背景にある生活習慣病の有無まで含めて整理しておくことが大切です。数値がわずかに基準値を超えている段階と、脂肪肝の診断が確定して経過観察中の段階では、告知の書き方も審査の見え方も変わってくるため、自分の状態がどの段階にあるかを確認したうえで告知書に向き合うことをおすすめします。可能であれば再検査を先に受けて状態を確定させ、正確な情報で告知を行うことが、後々のトラブルを避けるうえで確実な進め方になります。

この記事の執筆・確認について

執筆:house-kurashi.com編集部(住宅ローン・マイホーム購入・不動産売却分野の記事制作を担当)

参考にした公的情報:厚生労働省 e-ヘルスネット、日本消化器病学会 NAFLD/NASH診療ガイドラインに関する資料、生命保険文化センター 告知義務に関する資料

確認方針:制度・審査基準に関する内容は、公的機関・業界団体が公表する情報を基に一般的な傾向として整理しています。個別の告知内容や審査結果については、金融機関・保険会社・主治医への確認をお願いします。

本記事は公開時点の情報に基づく一般的な内容であり、個別の団信審査結果を保証するものではありません。団信の告知基準・取扱い条件は金融機関・保険会社によって異なり、変更される可能性があります。肝機能の数値の基準値は検査機関によって幅があり、脂肪肝などの診断や背景疾患の有無については、必ず主治医および申込先の金融機関・保険会社に確認したうえで判断してください。告知内容に不安がある場合は、自己判断で記入・省略せず、事前に窓口へ相談することをおすすめします。

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